気まぐれ猫と音楽だらけの暮らし

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とあるエッセイストに喝!

2010-09-14 17:48:58 | コスメ・ファッション
 「着物好き」と称するエッセイストの「着物」や「和」についての本を読んだのですが、これがなんとも不可解な内容。これを読んで着物を着たいと思ってくれたとして、この通りに行動されたら大変だなあと思います。
 1.浴衣は初心者向けではない。
 本来の意味で浴衣は外出着ではないので浴衣を着て歩くのはもってのほかと思っている年配の方も多いのですが、確かに浴衣美人はいらっしゃいますね。涼しげで良い。でも、浴衣を美しく着付けるのは至難の業。着物で生活していると浴衣がいかに難しいかわかります。気を抜けない、手を抜けないのです。体にそのまま纏うので善し悪しがすぐに判る。慣れているのか初めてなのかが一目瞭然。下手な着付けだと目を覆うような状態になりがちなのです。下ごしらえをしないで「さらり」と着るという着付け本もありますが、むしろ体のラインがボン・キュッ・ボンのいまどきのお嬢さんには「エロ」になりがち。やはり最小限の補正は必要です。浴衣をセットで買ってくるのはいいのですが下着を買わないからこれが大問題。せめてキャミソールかスリップでも付けて頂けると良いのですが、ブラジャーにスキャンティーではすけすけで見えちゃいます。一緒に下着を付けて売るっていうのはどうでしょうか?メーカーさんに希望!着物を着る人なら和装用スリップも持っているでしょうけれど、初心者は裾避けが必要だなんて思ってもいないでしょうからね。ストンとそのまま着れば良いと思いがち。無理です!
2.初心者はフルセット通販でOK!
 先の著者はご自身で着物を三枚しか誂えなかったにも関わらずご母堂様のお着物が沢山おありになってそこから初めていらっしゃる。なので最初に何が必要か…の部分がすっぽり抜けている。初心者が浴衣から次のステップへ行くにはどうするの?いきなり呉服屋で長襦袢を誂える?そんなわけないでしょう?!いや別に出来る人はそれで良いですよ^^;でもねえ、浴衣を通販で買うなら次は化繊プレタのフルセットでしょうね。これは初心者にはありがたい。着付けの小物から草履・下駄・バッグ・帯・着物・襦袢・下着全部揃っている。しかもある程度コーディネートされているから悩みもなし!化繊だから洗えるから汚れても大丈夫!ここのところを抜かして書いているので非常に違和感があるし、むかつく。何故最初の長襦袢を白にしなければならないの?着物に合ったお色を選んで良いのでは?それこそ着物一枚に襦袢一枚というのが呉服屋の売り方ですから・・・。何が無くても長襦袢だけを誂えるなんて有り得ない。と…思うのです。
3.半襟を付けるのはそんなに嫌ですか?
 半襟をつけるのにそんなに大変に思うなら着物好きって言わないで!と思うのです。毎日着物で過ごしている人にはそういう人はいません。ていうか、月に一度お稽古にしか着物を着ない人が半襟付けで嫌がっていては着物通とは言えません。しかもその半襟白の物を三枚で充分だという。夏は絽にしないの?着物に合わせて半襟も楽しむという余裕が欲しいですね。半襟も慣れてくればテレビを見ながら出来ます。裏返して波縫いでだ~と縫って、折り返してしっかり待ち針で留めたらくけ縫いで縫って行きます。友人は呉服屋に勤めていますが半襟は両目から波縫いだそうです。見えないから大丈夫なんだとか。しかも「大うそつき」襦袢愛用者。衿も袖も付け替えができる肌襦袢を着ている。半襟を付けるのが面倒で、月一回しか着ないなら襦袢に付けたまま洗うという手もある。でも衿芯が不満だとある。判るけどコピー用紙も利用できるのだし、いざとなったら三河衿芯を中央に付けておいてそれから半襟を付ければ良い。これならプラスチックの衿芯は不要。でも衿芯がないとすっきと行かないのも事実。
4.小物にお金をかけてはいけませんか?
 着物や着付け小物は誰かから貰って来た方が良い。というくだりは共感できます。最初はそれで良いでしょう。でもある程度着物の良さが判ってきたら、化繊から正絹へ行くように小物も自分テイストになるはず。半襟も足袋も「白」ばかりじゃあつまらない。帯揚げ帯締め帯留めもコーディネートしてみたくなる。著者は着物を自分で買ってないからそうなるのかも。ある人には0から始める人の気持ちは判りません。というのは著者と私が同じ境遇だからです。私の手持ちは99%が母親の持ち物ですから。でもやっぱり年代が変われば合わせる小物も違ってきて当たり前なんです。着付けの小物もそんなにいらないというのは同感ですが伊達締めをマジックベルトにしたところで何か?胸紐の代わりにコーリンベルトをつかっていけませんか?そこまでいうなら帯板もいらないのではないですか?昔は帯板なんて使わなかったし・・・・。
5.本当に名古屋帯だけで良いですか?
 確かに名古屋帯は簡単です。一重太鼓にするにはです。でも変り結びやお太鼓柄だと難しい。初心者には「総柄の名古屋帯」が良いとここまで言わないと駄目。もっと正しくいうならば「帯は名古屋仕立てが良い」と言わなきゃ。名古屋帯というものはないのです。帯を名古屋帯仕立てにするというのはある。名古屋帯仕立てなら手先とたれを間違うはずがない。そのためにかがってあるのですから・・・・。「間違わないように気をつけましょう。」と書いてあるけどどうやったら間違うのでしょうね?でも御太鼓柄は着付けが大変なんです。だから作り帯なる物が発明されるのです。総柄だったら大丈夫。しかも素材については一切触れていない。片手落ちとはまさにこのこと。袋帯でも一重太鼓に出来ます。その後二重太鼓にすれば良い。銀座結びも出来る。文庫の垂流しも雅で良い。最初にセットで買うならば半幅帯が付いてくるはず。これで充分。でも著者は「文庫結び」しかしないという。おばさんは「貝の口」くらい覚えておくべきです!しかも文庫結びじゃなくて紹介しているのは「ちょうちょ結び」だし。姉様結びや都流れのどこが難しいの?しかもご自身は京都結びという右から左へ結ぶやり方らしい。多くの着付け指南本は左から右への東結びですから・・・・・多くの読者はここでも「う~ん」と思うかもしれません。帯によっても違うし、同じ帯でも劣化を考えればどちらでも出来た方がよろしい。
6.下駄じゃ行けない場所もあるの・・・・
 着物を着たら下駄。これもいいでしょう。ええ、ええ夏なら浴衣で素足に下駄ですね。でも下駄じゃあ入れない場所もある。大いにある。だから草履も必要。あえて言いますが足袋は白というのは基本でしょう。しかし色足袋で遊んでも良いこともある。逆に白じゃなきゃ駄目という事もある。臨機応変に行きましょうよ・・・・・。
7.和の習いごとは「茶道」だけですか?
 茶人として言います。茶道を習うのに「着物じゃなきゃならない」という教室は聞いたことがない。あったとしても着付けが出来ない初心者を笑うまたは教育する先輩がいるなんてそんな恐ろしい場所誰も寄り付きませんよ。しかも相手は芸者だって?なおさらですよ。そんな文化人が着付けが出来ない人を見たら叫んで「誰か!着付けてあげて!」なんていいます?言ったとしたらその人がおかしい。文化人なら「あらあら大変。出来ないの?じゃこうしてああして」とさりげなく指南してくれるのが望ましくないですか?しかも出来ないなら出来ないとカミングアウトするべきですよ。行く前の日におさらい位するべき。自信がないならなおさらです。本を見ながら着付けをするなんて!達人でも無理。しかも習ったのは茶道だけ?それで「和」の習いごとについて語るの?それでエッセイストって言えるの?茶道・華道・書道。柔道でも空手でも剣道でも合気道でも良いのでは?民謡や長唄、三味線や日本舞踊は駄目ですか?茶道だけをやっていて「和」を楽しんでいますなんて。滑稽。
 日本の心そのものが「和」なの!要は心です!
 着物を着ていなくても、習いごとをしていなくても、海外にいても「和」の心を持っていればよい。むしろ着物を着ても茶道を習っていても心が「和」じゃないといくら他で売れているエッセイストでも説得力がない。
 わざわざ木のまな板を作って貰う?あほかいな。陶磁器を選ぶ?じゃ陶芸もしなさい。小物を買うのをけちるなら、ちりめんの端切れで作ったらよろしい。
 40代は子育てを一段落して自分に還る時間が出来る世代。だからこそ無駄にしてほしくないというのは判る。でもねえ。あなたのやり方じゃ「和」を楽しめない。あなたの言う「和」の生活は出来ません。
 ああ・・・・疲れた。同年代として恥ずかしい。昨今はこのような「和」の達人やら「着物通」が増えて著作本も多くなって為になることもありますが、がっかりすることも多い。金返せ!
 っていいたくなる一冊でした。まる。