大阪府の橋下知事と府教育委員会との間に亀裂が起こっているようです。橋下知事はかねてから教育問題に関心が深く、東京杉並の和田中学校前校長・藤原和博を招聘して大阪の教育全般を見直して、公立校の学力の向上を目ざしているようです。
この間全国の学力テストの結果が発表され、秋田県の小学校の生徒が全国1位だとの事だそうです。中学校は忘れました。ところが大阪はその全国評価では小学校41番目、中学校45番目と惨憺たる成績です。・・橋下知事は「教育委員会には最悪だと言いたい。これまで『大阪の教育は…』とさんざん言っておきながら、このザマは何なんだ」と、府教委を厳しく批判したそうです。
そのうえで「現場の教職員と教育委員会には、今までのやり方を抜本的に改めてもらわないと困る」と注文をつけ・・・綛山(かせやま)哲男教育長は「昨年の結果を受け学力向上をテーマとしてきたが、改めて大変厳しいと現実を認識した」と言っているようです。
このように大阪府の教育実態が一向に改善されない現実に、橋下府知事は、今月6日に府特別顧問に、東京都杉並区立和田中学校前校長、藤原和博氏に依頼したそうです。
藤原和博氏は杉並区立和田中学校を全国でもその存在を知らしめて名校長として有名です。今後この和田方式を大阪府の学校に展開し、その学力を底上げしたい構想のようです。藤原氏は「全国第2の都市としては考えられない結果だと思う。先生方は熱心で頑張っていると感じるが、システムが成り立っていないのだと思う」といったとの事です。
藤原先生は課題として、国際学習到達度調査(PISA)に対応した学力の育成のために、「先生方の熱意が効果を発揮するシステムを作れば大阪でも不可能ではない」と言ってます。また・・・
小中学校の放課後無料学習や習熟度別授業推進など新たに取り組む施策の充実を目指すことを先ずは実行したいとの考えのようです。そこで「保護者、子供たちをはじめとする府民の期待に応える教育の実現に全力を尽くす」と言ってます。
橋下徹大阪府知事からも「府内全域で実行して欲しい」と期待しているようです・・・大阪府教育委員会ではこの人事で相当抵抗しているようです・・・知事の強力の後押しで同氏の特別顧問としての活動が本格始動した事が気に入らないのかしら・・・この人事については、橋下知事と、府教育委員会との間に不協和音があるとか・・・このような事から知事部局と教育委員会との軋轢を抱えながらのスタートとなったとの事です。
杉並方式の教育改革は、知事の公立校生徒の学力向上をなんとしても高めたい・・との思いからこの藤原氏の特別顧問就任を依頼し、発表したようです。会見で橋下知事は「興味を持った市町村からの連絡は(府教委ではなく)秘書室が受ける」「知事部局で窓口をやる」と繰り返し言っているそうです。それに対し府教委側は「敵意すら感じる」(府教委職員)との受け止め方もされているとの事で、この溝は実績を挙げていく事で理解してもらうしかないのかも知れません。
ただ府教委側の言い分は「藤原氏起用について反対は一切していない」ある府教委幹部は「藤原氏による教育改革のメーンとなる中学校は、市町村教委の所管であり、府教委は仲介する立場でしかない。この点の説明が、知事には『非協力的な抵抗勢力』と感じられたのだろう」と言っているようです。
きっとこの和田方式の教育を大阪府にも展開したい知事側と府教委側との学校教育に関する見解に違いが在り・・・知事はそれをやや強引にこの和田方式を展開しようとしています。それは、公立校でも私立校に負けない生徒を作りたいという知事の強烈な想いが底流にあるのだと思います。
● 藤原方式の教育現場の実例http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20080829-OYO1T00478.htm?from=top
記事の要旨
塾講師を活用した有料の夜間授業「夜スペシャル」を企画した東京都杉並区立和田中学校前校長で、大阪府特別顧問の藤原和博さん(52)招いた教員研修会が29日、同府池田市立池田中学校で始まった。同市教委は夜スペを参考にした独自の課外授業を検討しており、藤原さんの提案を踏まえ、2日間の日程で具体的な学力向上策について話し合う。
研修会には市内5中学の教員ら約50人が出席。藤原さんは地域ボランティアが宿題を教える「土曜寺子屋」などの取り組みを紹介し、「地域の人が学校に入れば教員の負担が減り、生徒と向き合う時間も増える。学力向上には学校を中心にした新しい地域社会づくりが大切だ」と強調した。
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私もこの方式に賛成です。
8月30日・・「ガーベラ」。花言葉は「一家だんらん」
● 町作り研究会・・島根と鳥取が合同で観光振興・・・
常陸大宮に『オカリーナの森』が・・
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