2016年4月4日(月) オフの日

2016-04-05 00:21:27 | 日記
今日はオフの日。

母親が風邪をひいたということで、実家に帰って車で買い物代行。
葛根湯など買ってきたりした。

あとは新聞のまとめ読み。
(白状すると、自宅では新聞は取っていない。実家でまとめて読ませてもらっている)

新聞の政治面とか経済面は、どうせ記者クラブの人間が、
役所からもらったヨコ書きの文書を、タテ書きにして掲載している程度だろうから、
どうでもいいんだけれど(テレビも似たようなもんでしょう)、
オピニオン欄とか論壇面には結構面白い記事があって、
やはりチェックすることは欠かせない。

朝日新聞4月1日のオピニオン欄で、
ウルグアイ前大統領のホセ・ムヒカ氏のインタビューが掲載されていて、
これには大いに唸らされた。
この人、「世界で一番貧しい大統領」として日本でも注目を集めたらしいけど、
恥ずかしながら知らなかった。

この人の言葉はシンプルだけど力がある。びんびん共感できた。

“「世界で一番貧しい大統領」? みんな誤解しているね。
私が思う「貧しい人」とは、限りない欲を持ち、いくらあっても満足しない人のことだ。
でも私は少しのモノで満足して生きている。質素なだけで、貧しくはない。”

“貴族社会や封建制度に抗議し、生まれによる違いをなくした制度が民主主義だった。
その原点は、私たち人間は基本的に平等だ、という理念だったはずだ。
ところが、いまの世界を見回してごらん。
まるで王様のように振る舞う大統領や、お前は王子様かという政治家がたくさんいる。
王宮の時代に逆戻りしたかのようだ。”

“私たち政治家は、世の中の大半の国民と同じ程度の暮らしを送るべきなんだ。
一部特権層のような暮らしをし、自らの利益のために政治を動かし始めたら、
人々は政治への信頼を失ってしまう。”

“貧乏人の意地ではなく、知性で世界を変えていこうという若者たちに希望を感じる。”

“格差が広がったのは、次々と規制を撤廃した新自由主義経済のせいだ。
市場経済は放っておくと富をますます集中させる。
格差など社会に生まれた問題を解決するには、政治が介入する。公正な社会を目指す。
それが政治の役割というものだ。
国家には社会の強者から富を受け取り、弱者に再分配する義務がある。”

“私は国家をあまり信用していない。もちろん国家は必要だよ。
だけど、危ない。あらゆるところに官僚が手を突っ込んでくるから。
彼らは失うものが何もない。リスクも冒さない。なのに、いつも決定権を握っている。
だから国民は、国家というパパに何でも指図されていてはいけない。
自治の力を身につけていかないと。”


このインタビュー取材を終えた記者の感想も、毒があってなかなかいいと思った。

まるで王様のように振る舞う権力者たちの姿を目にしていると、
日本にもムヒカ氏のような政治家が一人でも現れてくれたら、と思う。
そんな新党の旗のもとなら、支持も集まるはずだ。
「いまだけ、カネだけ、自分だけ」といわれる最近の風潮には、
未来なんてあるはずがない、と多くの人が感じているのだから。



【時間も金もないので、どうせ読めないだろうけど、面白そうな本】



『ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領』
(著)アンドレス・ダンサ 他
角川文庫


世界が抱える諸問題の根源は、我々の生き方そのものにあると説いた伝説的スピーチで、
一躍時の人となった南米ウルグアイ前大統領ホセ・ムヒカ。
一国の長でありながら庶民的生活を貫き、国民の目線に立ち続ける柔和で読書好きな老人の生涯は、
貧困、ゲリラ活動、投獄など衝撃の過去に満ちていた―。
「私が大統領を辞めたら本にしてもいいよ」
19年にわたる現地取材を基に著した歴史的ルポが満を持して遂に文庫化!




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