2019年11月14日(木) オフの日

2019-11-14 17:44:07 | 日記
今日はオフ。

いい天気だけど、もう冬も間近だなと感じられるような日。

自分の逆流性食道炎は治るまでにちょっと時間がかかりそうだ。


☆ ☆ ☆

8月24日の当ブログで紹介したこの本。

ジョセフ・ヘンリック
『文化がヒトを進化させた』
白揚社 2019



図書館で順番が回ってきたので今パラパラと読んでいるのだが、
これは相当に面白い。

最近の日本の世相を見るにつけ、
「人間っていったい何なんだ?」と素朴な疑問を抱くことが多いのだが、
そんな疑問の少なくとも一部には答えてくれる良書だと思う。

予約が詰まっているので、貸出延長はできず、
面白そうな所だけかいつまんで読むことしかできないが、
こんな内容の本なら4000円近く出してもいいような気がする。
本田圭佑が薦めている『負債論』はちょっと遠慮するけど、
この本なら高くても買ってもいいかな。





訳者あとがきより。

「「文化」には、道具、技術、経験則、習慣、規範、動機、価値観、信念など、成長過程で他者から学ぶなどして後天的に獲得される、ありとあらゆるものが含まれる。ヒトという動物がいかに文化的な種であるか、つまり、文化を装備することで生態環境に適応してきた種であるかということをとことん思い知らされる」

「長い年月の間に文化として代々受け継がれてきた大量の情報は、一個人が一生かけても考え出すことができないほど優れた知恵に満ちている」

「祖先代々受け継がれてきた知識や技術や習慣など、膨大な文化遺産の宝庫から、知的アプリケーションをふんだんにダウンロードして利用しているから、私たちは生得的能力をはるかに超える能力を発揮することができる」


「人間として生まれたからには知性を磨くべし」という自分の信条を補強してくれるこれらの言葉。
また、下記のような言葉もある。


「試行錯誤を繰り返しながら自分で工夫するよりも、すでに適応的なスキルや習慣を身につけている他者を模倣する「社会的学習」のほうが圧倒的に有利な状況が生み出される。そのような状況下で、ヒトの模倣行動にますます磨きがかけられるとともに、手本にすべき人物、つまり成功実績や名声のある人物を敬おうとするプレスティージ心理や、それに伴う社会的地位(ステータス)といったものが生まれ、さらに一連の社会規範ができあがっていく」


これを読むと、安倍のような人物を7年間も総理大臣の地位に座らせてしまうことが、
日本社会にとっていかに危険なことであるかがより深いレベルで感得できるだろう。
日本人を劣化させることばかりしているイカサマ野郎を“名声のある人物”のままに放置してはいけない。


思想家・内田樹氏のツイートより。

この政権の罪は「悪いことをしたこと」ではなく「悪いことをしても処罰されない/公共財を私物化できるクラスターが存在する」という信憑を7年かけて国民に刷り込んだことです。少なからぬ国民が「だったらそのクラスターの末席に自分も加わりたい」と思うようになった。