見出し画像

Log Book

東京オトナ大学 野口健氏講演会 『富士山から日本を考える-環境との共生と地方創生-』

先日の日曜日(2016/11/20)、
午後イチから西南学院大学の講義を聞いた後は、
野口健さんの講演を聴講。
タイトルは「富士山から日本を考える-環境との共生と地方創生-」
です。

時間になって、最初は本人のプロモーションビデオで経歴紹介です。
野口さんは、講演活動も多いようなので、面倒だから作っちゃったんでしょうね。
時間にして7~8分位。
音楽付きで、かっこよく、まさにプロモーションビデオでした。

講演の内容は以下の感じです。

  • 登山活動を通じて、ごみ問題を感じた。
  • 始めた頃は、自分が正しいと思って始める。自分が正義、日本中が賛成してくれると思った。しかし考え方が違うと言って、反対する人も出てくる。行動には批判もセットでついてくると言う事を感じた。
  • ごみ問題を感じたエベレストは高校生の頃からの憧れ。しかし現実には、意外にごみが多かった。ごみ以外には、モノが無くなる問題もあった。苦労して上げた酸素ボンベが盗まれたりした。
  • そのエベレストで「エベレスト汚いなぁ」と言っていたら、海外の人に「富士山は世界で最も汚い」と言われて驚いた。
  • 富士山にはいつも冬にいっていたのでそう言うイメージは無かったが、夏場に行ったら、山頂に自販機が並んでいてこれにも驚いた。こんな所は世界中どこにも無い。
  • 自分がいつも行く冬の富士山は、雪と氷に覆われた死と隣り合わせの危険な山。しかし一般の登山者が来る夏は、みんなヘッドランプを着けて登ってくる。
  • 富士山が汚いと言われる原因の“白い川”=トイレの排出物。驚いて環境省に行ったら、富士山のトイレ排出物が水源地を汚染すると言うデータを持ってきてくれと言う。尾瀬は厳しく取り締まるのに、何故富士山は取り締まれないと憤りも感じた。よくよく後で聞いてみると、これは地元政治家の政治力の影響だったようだ。また、環境保護の法律も後から出来たので取り締まりにくいと言う事もある様だった。
  • 行政じゃダメだと思い、NPO富士山クラブに連絡した。そうした所、彼らは樹海に言ってくれと言う。「何故樹海?」と思ったが、行ってみると、そこにはごみの山があった。医療廃棄物、車のバッテリー、タイヤの山。
  • 上手く表現できないが、そのごみが投棄されている場所は、どんよりしていて、空間のオーラが枯れていると感じた、しばらくいると自分の気持ちまで汚染された気になってしまった。
  • 見てはいけないものを見てしまって、知らない事を知ってしまった。このままにはしておけず、ごみ拾いツアーを企画してが、ツアー会社に「人が集まらない」と言われて進まない。そこで、ごみ拾い活動を人々に知ってもらおうと思って記者会見をした。静岡県・山梨県の地元への一緒に参加してもらおうと思うアピールのつもりでもあった。しかしそれは、自分の思い上がりだった。
  • 静岡県側より、山梨県側からの反対が強かった。観光への影響が出ると言って入山規制反対と言う地元の反応にビックリ。山梨県を敵に回したと思った。
  • 人は、立場が異なると、物事の捉え方が異なる。自分の正義が社会の正義ではないと痛感した。このことから判ったことは、環境問題は人間社会が相手で有ると言うこと。本人がどこかに夢とかロマンを感じていないと、批難を喰らって厳しく感じる。環境の環は、“わ”。人とのつながり、関係が重要である。
  • 拾ったごみを自治体に持っていくと、「それはあちらの自治体ではないですか」と言われ、そちらに行くと「いや、これはあちらでしょう」と、つまりたらい回しに遭った。自治体にも理屈はあって、外から持ち込まれたごみの処理に地元の税金は使えないということでもあった。ごみ拾いは、処理までが仕事なので、大変だった。
  • しかし、細々とでも年々続けていると、徐々に注目を集め参加者が増えてくる。参加者が増えてくるというのは、地元自治体へのプレッシャーにもなる。
  • ごみ問題に取り組んだのは、子供の頃に海外で暮らしていて、日本に戻ってきたときに「日本は美しい」と思ったのが原点かも。
  • 小池環境大臣(当時)の誕生が転機。小池大臣はカイロ大学で学んだことが有る方。「富士山は日本の恥」と言う言葉が帰国子女には効く。小池環境大臣を現地に案内したとき、地元の自治体首長、環境省の局長等幹部が勢揃い。これまで無関心だった人たちが、現場を見て、ごみ拾いをすると、「何でこんなに、ごみがあるんだ!」と何故か怒り出す。みんな、ごみ問題を感じていた。
  • 富士山の五号目から上のごみ問題は大体解決したが、それより下はまだまだ。富士山が世界遺産登録になって驚いたが、あまり大きく知られていないが、これは条件付き登録。ごみ問題、安全面、受け入れ体制(入山規制)、看板等景観の解決が求められている。一応ユネスコには報告したが、静岡県と山梨県の考え方が合わず、本質的問題解決は難しい。
  • アイディアとして、富士山の登山鉄道がある。これだと、電車のキャパにより事実上の入山規制ができるし、排ガス問題は解決。夏に集中する観光客が、電車で冬にも分散され観光客の平準化がされる。
  • 人が生きることが一番重要。環境だけが解決しても意味はない。

何度も何度も講演しているためか、時間ぴったりに終了。

野口さんは、講演活動や、ごみ問題解決活動を行う傍ら、
毎年ヒマラヤには行っているそうです。
今年もこれから行くそうです。
って、冬なんですけどね。
冬のヒマラヤ?
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「講演会」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事