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おまけの人生・・・

無理なくボチボチやって行きます・・・(;^_^A

歓びを歌にのせて

2006-01-12 18:12:27 | 外国映画
『歓びを歌にのせて』

 世界を舞台に活躍する著名なオーケストラ指揮者ダニエル。彼は過酷な公演スケジュールとプレッシャーの中、病に倒れ、第一線を退くことになる。
ぼろぼろの心臓と深い孤独を抱えて、彼は生まれ故郷の小さな村に戻った。音楽にはもう関わらないと決めていたダニエルだったが、ある日、地元の聖歌隊の指導を依頼される。
離村の小さな聖歌隊。全く素人のメンバー達。しかし、心から音楽を愛する彼らの心に触れ、ダニエルは音楽の素晴らしさを思い出していく・・・

★★★★

 ラストシーンは鳥肌ものでした。
音楽は国境を越え、言葉の壁さえも超えることが出来る。
まさにそれを描いているようでした。

聖歌隊のメンバーがなかなか登場しない指揮者ダニエルを待ちながら、緊張の中、それぞれ隣の人の手を握り締め、ガブリエラを中心に次々と発声して行く。
ひとりひとりの気持ちが繋がり、やがて、その心の奥からの声は、会場の審査員や他の国のメンバー達や観客に次々と伝わって行き会場全体の気持ちがひとつに繋がって行く。
歌を歌っているわけでもなく、ハミングしているわけでもなく、ただ発声しているだけなのに、それなのに会場が一体化してしまう。
映画館の客席で観ていながら、自分もその会場にいるような感覚になって、思わず発声してしまいそうになりました。

閉鎖的な小さな離村で、よそ者として迎え入れられながら、ただ純粋に音楽を愛する小さな聖歌隊のメンバーと触れ合って行くうちに、本当に求めていた音楽の素晴らしさを思い出していく様、また、ダニエルの指導を受けていくうちに、それぞれの問題に立ち向かう勇気を見出していく聖歌隊のメンバー達。

目を覆いたくなったり、顔を背けたくなったり、蔑みたくなったり、小さな町や村だけではなく、どこにでもありそうな人間模様を見ながら、ガブリエラの素晴らしい歌声で、ガブリエラを含め変わろうとしている村人の心からの笑顔がとても素敵だなと思いました。
「私の人生は私のもの 私は誇りを持って立ち向かう」
あの歌詞はほんとによかった!

06/01/11