つれづれすけっち

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エリザベート観劇記 山口祐一郎バージョン(その1) ネタばれあり

2004-11-10 22:42:52 | 感激!観劇!
観劇日 11月9日 梅田コマ劇場 マチネ
<キャスト>
エリザベート(オーストリア皇后):一路真輝 
トート(黄泉の帝王):山口祐一郎 
フランツ・ヨーゼフ(オーストリア皇帝):鈴木綜馬 
ルイジ・ルキーニ(エリザベート暗殺者):高嶋政宏  
マックス(エリザベートの父):村井国夫
ゾフィー(フランツ・ヨーゼフの母):初風諄
ルドルフ(皇太子、エリザベートの息子):浦井健治
エルマー(革命家):藤本隆宏

ようやく観てきました!「エリザベート」!
2001年版(といってもうっすらしか覚えてないのだが)、ライブCDと比べての私なりの感想。
演出、舞台装置は結構替わっていた。
まずオープニング。2001年版はまずトートダンサーが身をくねらせながら
登場したが、今回それはなし。即ルキーニの首吊りシーンから始まった。
棺から這い出してくる亡霊たちの登場にはインパクトがあった。
その亡霊たちが劇中劇でエリザベートについて語っていくという形式。
劇中劇はよく使われる手だが、私は分かり易く面白いと思った。
劇を始める時の亡霊たちの声がやる気なさそうだった・・・でも、元気一杯でも変だしなぁ。

今回は大掛かりな大道具を使うというより、階段の付いた可動式タワー?3台を
色んなシーンで使用していた。
あとはLED(発光ダイオード)の巨大パネル。あれは賛否両論あるだろう。
悪くはないのだが、シシィ(エリザベート)が木から落ちるシーンはちょっと・・・
昔のようにシルエットが映る演出のほうが良かったような気が。
あとコルフ島のシーンの映像もお粗末な感じがした。

一路さんのエリザベートは文句なしにいい。少女~新妻~母~晩年と
声質を巧みに変え、しっかりと演じきっていた。歌も演技も素晴らしい。
凛とした姿はまさにエリザベートそのもの。彼女以外では考えられない。
山口さんのトートは黄泉の帝王=「死」というものを体現していたと思う。
心持ちゆっくりな動きに思えたのだが、そういう演技をすることで
他のものとは一線を画している、つまりトートは人間の姿をした死の象徴だ
ということを表現しているようだった。
ただ、ダンスの部分は少し体が重そうだった・・・頑張って~~!
歌はさすが!声が響く響く。文句のつけようがない。
CDに比べると、人間的な感情表現が少なくなっているような気がした。
高嶋さんのルキーニは安心して観ていられる。ハードな役をさらりとこなしていた。
村井さんは色気がある役者さんだ。オープニングの第一声がちょっと残念だったが。
エルマーの藤本さん。歌はお上手なのだが、あまり個性が感じられなかった・・・
それほど目立たないエルマーをWキャストにしていること自体私には良くわからない。
あと、ルドルフの浦井さん。井上芳雄さんの印象が強くどんな感じか不安だったが
まっすぐ素直な歌い方。若いなぁという感じ。
もう少し歌に苦悩する感情が伴うともっとよくなると思う。

今回観て「女性の生き方」についてすごく考えさせられた。
生きていくのはいつの時代も難しい。みんなから羨まれるエリザベートも
自分を失いたくない、と苦悩していた。
そんな時、皇太子妃雅子さんのことが思い浮かんで、エリザベートとダブった。

ラストは、以前のほうがいいかなぁ。以前はトートと一緒に黄泉の世界へ・・・
という終わりかただったのだが、今回はオープニングに戻るというか
元いた棺へ戻るのね。ああ、そうですか、という幕切れだった。
以前のほうが何だか余韻を引きずって終われたのだが、今回は「はい終了」という感じ。
前回よりナンバーが増えたので、全体的にスピーディーに進んでいた。
次回は25日に内野聖陽さんのトートを拝見する!