グレゴリー・ペックが亡くなった。87歳。
テレビ「日曜洋画劇場」等で、洋画を見るようになって、最初に好きになった俳優がペックだった。理想の父親像的な憧れがあった(ちなみに、最初のご贔屓<ひいき>女優はデボラ・カーだ)。
「世界を彼の腕に(1952)」や「白鯨(1956)」を最初に見たので、海の男の印象が強かったが、「大いなる西部(1958)」で東部からテキサスにやって来た、大牧場の娘の婚約者も船乗りだった。娘に横恋慕する牧童頭のチャールトン・ヘストンが、一人で馬で出かけようとするペックに向かって、『テキサスは広いから、迷子になるなよ』と馬鹿にした態度をとる。しかし、大海原は桁違いに広い。『これがあるから』と上着のポケットからコンパスを見せるのが痛快だった。
父親役の印象が強いのは、「子鹿物語(1947)」「アラバマ物語(1962)」のせいだろう。「友情ある説得(1956)」のゲイリー・クーパーも素晴らしかったが、クーパーは父親より夫としての存在感が強い。ペックは「恐怖の岬(1962)」の弁護士でも、自分を逆恨みする犯罪者ロバート・ミッチャムから妻と娘を守る、強い家長の役であった。91年にリメイクされた「ケープ・フィアー」にも警部役で出ていたのがうれしかった。
大学では医学部に進んでいたという。初期の作品、ヒッチコックの「白い恐怖(1945)」では医者の役であった。3年の時に役者の道に入る。大根といわれていた。朴訥(ぼくとつ)な人物を演じるのが様になっているのは、そのせいか。
「ローマの休日(1953)」では、その朴訥さが誠実な人間性をも感じさせ、ラストのヘプバーンとの別れを切なくさせている。ニューシネマ以降、SEX描写はあたりまえであるが、ペックのような人が数十年遅く生まれていたら、そんなシーンをどう演じただろう。誰かが言ってた。『見ず知らずの女性を一晩自宅に泊めて、何もなかったと信じさせる男優は、ペックぐらいしか思いつかない。』
「白昼の決闘(1946)」「頭上の敵機(1949)」「キリマンジャロの雪(1952)」「渚にて(1959)」「ナバロンの要塞(1961)」「レッド・ムーン(1968)」……思い出の作品は多い。
ご冥福を祈るばかりである。そして、ありがとう。
テレビ「日曜洋画劇場」等で、洋画を見るようになって、最初に好きになった俳優がペックだった。理想の父親像的な憧れがあった(ちなみに、最初のご贔屓<ひいき>女優はデボラ・カーだ)。
「世界を彼の腕に(1952)」や「白鯨(1956)」を最初に見たので、海の男の印象が強かったが、「大いなる西部(1958)」で東部からテキサスにやって来た、大牧場の娘の婚約者も船乗りだった。娘に横恋慕する牧童頭のチャールトン・ヘストンが、一人で馬で出かけようとするペックに向かって、『テキサスは広いから、迷子になるなよ』と馬鹿にした態度をとる。しかし、大海原は桁違いに広い。『これがあるから』と上着のポケットからコンパスを見せるのが痛快だった。
父親役の印象が強いのは、「子鹿物語(1947)」「アラバマ物語(1962)」のせいだろう。「友情ある説得(1956)」のゲイリー・クーパーも素晴らしかったが、クーパーは父親より夫としての存在感が強い。ペックは「恐怖の岬(1962)」の弁護士でも、自分を逆恨みする犯罪者ロバート・ミッチャムから妻と娘を守る、強い家長の役であった。91年にリメイクされた「ケープ・フィアー」にも警部役で出ていたのがうれしかった。
大学では医学部に進んでいたという。初期の作品、ヒッチコックの「白い恐怖(1945)」では医者の役であった。3年の時に役者の道に入る。大根といわれていた。朴訥(ぼくとつ)な人物を演じるのが様になっているのは、そのせいか。
「ローマの休日(1953)」では、その朴訥さが誠実な人間性をも感じさせ、ラストのヘプバーンとの別れを切なくさせている。ニューシネマ以降、SEX描写はあたりまえであるが、ペックのような人が数十年遅く生まれていたら、そんなシーンをどう演じただろう。誰かが言ってた。『見ず知らずの女性を一晩自宅に泊めて、何もなかったと信じさせる男優は、ペックぐらいしか思いつかない。』
「白昼の決闘(1946)」「頭上の敵機(1949)」「キリマンジャロの雪(1952)」「渚にて(1959)」「ナバロンの要塞(1961)」「レッド・ムーン(1968)」……思い出の作品は多い。
ご冥福を祈るばかりである。そして、ありがとう。
レイノルズって、デビーちゃんの事かなぁと映画サイトを見に行ったら、当たってましたが、そんなことよりも、そのサイトの情報では、出演者のトップがカール・マルデンだったこと。(笑)
IMdbでは、キャロル・ベイカーがトップでした。^^
何年前?5年前の十瑠さんの記事なのね~♪
年輪ですわね~。(尊敬のまなざし~)
ハード大根=チャールトン・ヘストン
ソフト大根=グレゴリー・ペック^^
無口な代表、クーパー
口から生まれた、スチュワート^^
その辺、ほどよくしゃべる、ペック、
かな?(笑)
脊髄の損傷で兵役免除になり、あの頃の
ハリウッドでは男優不足で
彼は、次から次へ有名女優共演依頼で
引く手あまた・・・だったんですって。
5年前に書いたこの記事は、備忘録ではなく、ある投稿サイトにて取り上げられた文章を、残しておいたものでした。
独り言にしちゃあ、ちょっと気取ってますもんね。^^
旧い男優さん達には、TVで見た子供の時の思い出も絡むので、懐かし~くなります。