千秋実と藤原鎌足の凸凹コンビが「スター・ウォーズ」の“C3-PO”と“R2-D2”の元ネタということは知っていましたが、ファースト・カットで、荒野をブツクサ言いながら歩いている二人を後ろから撮った画は、確かに「S・W」の初期三部作の中で観たことのあるシーンでした。敗戦国の姫を助けて武将が活躍するという基本設定も「S・W」と同じだし、ルーカスさん、余程この作品が気に入ってるんですねぇ。
自国の隠し砦から軍資金となる黄金を薪に仕込ませて同盟国へ逃げる。『石を隠すには石の中、人を隠すなら人の中』。木こりに化けた三船たちは堂々と宿場町を抜けようとするが、そこで薪を積んだ馬を買い取られてしまい、一旦は不運を嘆くが、馬を連れていないことで追っ手の目を逃れる。そんな“塞翁が馬”的な展開もあり、冒険活劇としてまことに懐かしい気分のする時代劇であります。
馬上でのチャンバラ、槍を使った剣術のシーンなど、黒沢映画ならではの迫力と重厚感有り。
但し、140分というのは長すぎるし、黒沢さんの語り口は私には少し丁寧すぎる。侍の時代の一地方の話で、登場人物の設定にも「S・W」のようなロマンはないしネ。
あと、お転婆なお姫様を演じた上原美佐という(当時は新人さんらしいですが)女優さんが、スタイルは良いがしゃべり方がワンパターンで面白み無し。この辺はいかにも男性映画という感じがしましたな。
お薦め度は★★★から★★★★。時代劇ファン、活劇ファン、そして「スター・ウォーズ」ファンには★★★★です。
(1958/黒澤明 監督・共同脚本/三船敏郎、千秋実、藤原釜足、上原美佐、藤田進、志村喬、三好栄子、樋口年子、上田吉二郎/139分)
自国の隠し砦から軍資金となる黄金を薪に仕込ませて同盟国へ逃げる。『石を隠すには石の中、人を隠すなら人の中』。木こりに化けた三船たちは堂々と宿場町を抜けようとするが、そこで薪を積んだ馬を買い取られてしまい、一旦は不運を嘆くが、馬を連れていないことで追っ手の目を逃れる。そんな“塞翁が馬”的な展開もあり、冒険活劇としてまことに懐かしい気分のする時代劇であります。
馬上でのチャンバラ、槍を使った剣術のシーンなど、黒沢映画ならではの迫力と重厚感有り。
但し、140分というのは長すぎるし、黒沢さんの語り口は私には少し丁寧すぎる。侍の時代の一地方の話で、登場人物の設定にも「S・W」のようなロマンはないしネ。
あと、お転婆なお姫様を演じた上原美佐という(当時は新人さんらしいですが)女優さんが、スタイルは良いがしゃべり方がワンパターンで面白み無し。この辺はいかにも男性映画という感じがしましたな。
お薦め度は★★★から★★★★。時代劇ファン、活劇ファン、そして「スター・ウォーズ」ファンには★★★★です。
(1958/黒澤明 監督・共同脚本/三船敏郎、千秋実、藤原釜足、上原美佐、藤田進、志村喬、三好栄子、樋口年子、上田吉二郎/139分)
今回は録画したので、今度こそちゃんと観たいと思っております(^^ゞ。
公開当時は批評家に評価され、ファンの評価は低かったのですが、「スター・ウォーズ」の人気が逆輸入されてファンの間でも人気爆発している作品でしょう。
>語り口は私には少し丁寧
僕は「くどい」という表現を使っていますが、共通する認識ですね。
本作については終盤が長たらしい以外は文句なしと考えます。あの幕切れも「スター・ウォーズ」でしたね。^^
>上原美佐・・・男性映画
という側面もありますが、単に彼女が大根だったという面が強いでしょう。
現に、彼女がすぐに女優を辞めたことに関して、今回解説の山本晋也氏が「辞めて正解。人には適する職業があります」と仰っていまして、遠まわしに演技批判をしていました(解説だけ観ました)。
三船敏郎がスタントなしに両手を離して騎馬しているのが凄いですね。黒澤さんは本物の矢を三船に向けて射させたり、今の誤魔化しとインチキだらけの作品ではちょっと考えられないことを平気でします。
誤魔化しのない実写の凄みというのはこういうことを言うんですよね。
それと、黒沢さんは、やっぱりジョン・フォードが好きなんだろうなぁと思いましたね。
kiyotayokiさんのブログで、ポール・ニューマンの懐かしいCMやジミーちゃんとの珍しい映像を見せてもらい、嬉しかったです。勿論、永久保存させていただきます。
>終盤が長たらしい
2回目の鑑賞では、火祭りの所から早送りしてしまいました。
砦の中にはもっと人が居たようなのに、あの辺は端折ってしまって、もう一人くらい絡めても良かったような気もするんですが・・。