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No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

ネオン玉が映したいもの

2024-11-30 | 街:秋田


これも秋田市川反の繁華街。30分5000円と書かれたピンクキャバレー(多分)のネオン看板があり、その電球部分のアップ写真である。僕はネオン玉と呼んでいる。夜は綺羅びやかに光るであろうネオン玉も、昼間はビルの谷間の空を鈍く映している。ふと思う。ネオン玉が映したいものは、本当にこの空なのだろうか。もしそれが叶うのであれば、本当は映したい別の何かがあるのだろうか。ネオン玉が喋れるものであれば、聞いてみたい。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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ポール・オースター「4321」〜別れの儀式

2024-11-29 | その他





ポール・オースターの訃報に接したのは、今年のGW中のことだった。どう捉えて良いのかも、どう言葉を発すれば良いのかも分からなかった。僕が初めて読んだポール・オースターの作品は「「ムーンパレス」だった。あの時の衝撃は忘れようがない。それから都合5〜6回(多分もっと)は通読していると思うけど、あれほど切なく、美しく、そして親近感に満ちた世界を僕は他に知らない。それ故、ポール・オースターの死に触れることは簡単ではない。彼の死の直前、今年の2月にアメリカで出版された「4321」。その日本語版が昨日11月28日に発売された。予約注文していた本が発売日当日に到着した。ずっしりと重くて分厚い本。800ページ、88万字、そして厚さは5センチ近い。頁を開くと、濃厚なインクの香りが鼻腔に吸い込まれる。うっとりする。一字一字慈しむように読もうと思う。それがポール・オースターに対する礼儀だし、別れの儀式となるだろう。この本を読み終わるまで、僕の中でポール・オースターは生きている。
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かっぱ小路は変容する〜誰か店を開きませんか

2024-11-28 | 街:秋田




秋田市の繁華街、川反。その中でも特に古い小路、かっぱ小路。バラックが寄せ集められた飲み屋街で、骨の髄まで昭和が染み込んでいた。殆どの店が役目を終え、早晩再開発されるだろう。・・・。そう思ってから十年以上。古い店は次々に姿を消したものの、むしろ若者向けの新たな店が順次開業している。以前からある看板で残っているのは「ニューカジノ」くらいである。このような展開になるとは想定外だった。入口に貼った入居書募集の張り紙で、月の賃料3万円くらいで店を持てることが分かった。誰か秋田に移住して、ここでジャズ喫茶でもやってくれないかな、と思っている。え、僕ですか?。とても飯を食っていく自信がないので、辞めておきます。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR


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レッテル張り

2024-11-27 | 


秋田県では、この7月に豪雨による大きな浸水被害が発生した。当時、僕の知人がTV局のインタビューを受け、その様子が全国ニュースで放映された。その知人宅には損害はなく、被害地域の親類宅に片付けに来ている際にインタビューを受けたらしい。知人曰く、執拗に「こういう大雨はよく降るのか」、「過去にも同じような被害があったか」、「ここに住んでから何番目のレベルの雨か」、的なことを聞いてきたらしい。「ははぁ(ニヤ)」と気づいて、多分求めているであろう「もう40年以上住んでいるけど、この地域でこんな大雨は初めてだ。」という内容をサービスで答えたら、それがそのまま放映されたと笑っていた。実際には過去にも似たような水害は何度もあったという。街頭インタビュー的なものは放映側が言いたいことを、代わりに住民から言ってもらうための手法と化している。当放送局が言っているわけじゃないんです。あくまで住民の生の声です、という構成にしたいのであり、その為の答えを引き出すのがインタビュアーの腕の見せ所となる。そして「よし!良い撮れ高だ!」となる。つまり「いまだかつてない大雨」というレッテルを貼りたいのであり、最初から結論は決まっている。この手のレッテル貼りは、マスメディアの常とう手段である。実のところはよく分かっていないのに、民衆は盲目的にレッテルに従って、物事を判断する。その思考の放棄こそが、実は恐ろしいことなのである。つまりレッテル貼りとは、思考を放棄させる目的で使われているのである。例えば、「裏金議員」などは典型的な面白い題材だけど、まあ今回は辞めておく。

いま一番気になっているのは、レッテルと少し異なる「闇バイト」という用語である。そもそも警察庁自体が「闇バイト」という用語を使っている。こういう形態を知らしめるという意味では一定の効果があったのも事実である。だが報道で「闇バイト」という言葉が連呼され、それだけではなく「受け子」、「掛け子」、「実行役」などの用語も繰り返される。僕は、これらの報道が「闇バイト」の抑止力にならないどころか、罪悪感のハードルを下げていると思っている。「ブラック企業」という言葉があるが、これは労働条件や経営姿勢などに問題のある会社を言う。逆にいえばブラックとはいえ、その存在自体が違法とは言えない面もある。ブラックかどうかは人によって見解が分かれる場合もある。だが「闇バイト」は違う。何をどう解釈しても、これは単なる犯罪行為である。それが通常のバイト募集のような振りをしている点では、闇バイトかもしれない。だが繰り返すと「バイト」などではなく、報酬目的の「犯罪」である。それをニュースなどで「闇バイト、闇バイト」と繰り返せば、「まあ確かにヤバイけど、あくまでバイトだし、他にも多くの人もやっているからな」と思う人がいても不思議はない。マスメディア側だって、そうなることは分かっているのである。でもキャッチーな「闇バイト」というキーワードをマスメディアが手放すことはないだろう。なあ銀次郎さん。「お前の話は長くて、つまんニャいな」。・・・・。

iPhone 15PRO
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ディープな繁華街の仮想現実

2024-11-26 | 街:秋田









おでんを摘まみながら熱燗をきゅっとやって、怪し気なアロマで二次会。さらに熟女クラブでジャズを聴いて(聴けるのか?)、返す刀で30分5000円の店へ行き、締めにブラジル珈琲を飲む。あ、脳内の話です。このうち実際にやったことがあるのは、最初の「おでん」だけ。ここだけの話、他のところに行ったところで、言うほど楽しくないと思う。むしろ嫌な思いをするかもしれない。そもそも「アロマ」と「ブラジル珈琲」は、もう営業していない(筈)。だから、こうやって脳内トリップをしながら写真を撮る。お金も掛からないし、時間も取らず、実に楽しい。昼間の川反(秋田の繁華街)で、こんなことをしているのは僕くらいなものだ。

追伸:撮影が終わり、クルマに乗り込み帰ろうとした。信号で止まったところ、珍しく同業者を発見。それもギャルみたいな恰好をした若い女性(一人)。ミラーレスらしきカメラで僕と同じようなものしきりに撮っている。一体あれは何だったのだろうか?

X-PRO3 / XF23mm F2R WR
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羽黒山の五重塔〜聖なる場所を見た

2024-11-25 | 街:山形









山形県鶴岡市の羽黒山五重塔。令和5年の5月から1年半に渡って屋根修復の工事が行われていた。その工事も完了し、久しぶりに勇姿を拝見した。僕は下側の駐車場にクルマを停め、片道10分と掛からない参道を歩いて見に行った。その参道(石段)を登っていけば、本殿に到達する。僕は本殿に行くときは、有料道路を走行してクルマで行く。でも一度この参道を歩いてみなければと思っている。

この五重塔は東北最古のもので、本来の建立は約千年前、鎌倉時代のことになる。実際、4枚めの写真の大杉は樹齢千年を超えているそうだ。現在の塔は室町時代(西暦1370年頃)に建て直されたものである。塔は杉林の中にあり、周囲には何もない。こんな林の中にこつ然と姿を表す五重塔は、とても美しい。ここに来ると、身も心もぴしっと締まることを実感する。


X-PRO3 /  XF16-80mmF4 R OIS WR

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11月のメランコリー酒田

2024-11-24 | 街:山形



















敢えていえば、「悲しい」ではなく「哀しい」。もっといえば、「哀しい」でも十分ではない。日本語の「かなしい」は、かくも深く多様な意味を持っている。これを英語ではどう表現するのだろうか。多分、即物的になるのだろうなと思って調べてみた。いちいち挙げないけど、英語にも「かなしさ」を表現する言葉は沢山あった。もしかしたら日本語以上に多彩かもしれない。とても使い分けられない。つまり人類には数え切れないほどの「かなしさ」があるのだと、今更ながら気づいた。

さて、11月の酒田市(山形県)の町並みである。11月の冷たい雨に濡れた酒田には、言いようのない「哀しさ」が溢れていた。それは単一的な「かなしみ」ではなく、様々な感情(正反対の感情)を抱合している。僕の解釈ではなく、見る方の解釈が何よりも優先されるだろう。一点だけ補足する。最後のカットは、キャバレーロンドンの跡地である。今年になってキャバレーロンドン(廃業して久しい店舗跡)は解体された。


X-PRO3 / Voigtlander NOKTON 23mm F1.2 Aspherical

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今年最後の紅葉~小さな裏庭は営業終了

2024-11-22 | 風景・自然




今年は何の手入れもしなかった裏庭。なんだかんだ言って世話になった。無花果とアケビを収穫して食べたし、桜、紫陽花、薔薇、ハナミヅキ、チューリップ、ノウゼンカズラ、等々と多くの花が咲いた。この裏庭は全容を写すとがっかりするので、アップで胡麻化して撮らないといけない。それはそれで楽しかったりする。

その裏庭にもシーズンオフが近づいている。間もなく真冬の塩(雪)漬け時期になる。大きめの木だけは雪から顔を覗かせるが、殆ど雪の下に埋もれることになる。その様子を見れば、もう植物は絶滅するのではないかと思う。翌年にまた復活すると、それなりに感動する。そうやって僕は歳を取っていくのだと知った。この紅葉で裏庭の営業仕舞いとなる。今年もありがとう。

X-PRO3 /  XF90mm F2.0LM WR

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全くもってぶれない漢(猫)

2024-11-21 | 


最近、家の猫「銀次郎さん」は、僕の言う事を全く聞かない。「こらっ!」と叱っても、全く動じない。イタズラを辞めさせようと手を出すと、叩かれたりする。何と生意気な態度なんだと憤慨していたが、生後数ヶ月の頃の写真を見返したところ、最初から生意気な顔をしていたことが判明した。この生意気な顔でボス猫に喧嘩を売って、返す傍からピッタリとくっついて甘えていた。つまりは現在の僕に対する態度と同じだった。全くもってぶれない漢である。

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角館に秋の陽射し差す

2024-11-20 | 街:秋田










毎年とまではいかなくても、大体5年に3回くらいのペースで角館の紅葉を見に行く。ここ数年はコロナ禍の観光控えで、ゆったりと見学することが出来た。例年この時期は、雨か曇りになる確率が高く、その分紅葉もしっとりと美しく見えることが多い。今年は観光客も戻り大混雑であり(観光地にとっては良いこと)、しかも天気は恐ろしいほどの好天となった。こんなに眩しい陽が差す11月というのは、秋田県では滅多にないことである。観光客は大喜びだが、写真撮りにとっては厳しい条件となってしまった。

こんなときは、もう達観するしかない。目くじら立てて写真を撮ることもない。のんびり歩きながら、ゆるく写真を撮るに限る。「お作品」など土台無理な話である。ちなみに僕の個人的な調査によると、根からの秋田県民は角館に行くことは殆どないようだ。東京育ちの子が東京タワーに行ったことがないとか、京都市民が清水寺に行かないとか、そんな感じだろうか。一方で他所から移住した僕は、角館に日帰りで行ける喜びを噛みしめている。この日は汗ばむほどの陽気だったが、わずか数日で雪が舞う真冬のような天候に変わった。女心と秋の空(違うか?)。いまだにさっぱり分からない。


X-PRO3 /  XF16-80mmF4 R OIS WR
X-PRO3 /  XF90mm F2.0LM WR

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