いわゆる第３セクターの地方鉄道、由利高原鉄道の薬師堂駅。
駅舎は、旧国鉄時代の駅舎そのままで、遠目でみる分には風情ある
昔なつかしい駅だ。当然、無人駅だ。
沿線の駅は、殆どが質素ながら新しい駅舎に変わってしまっており、古い駅舎は
ここ以外には数えるほどしかない。
この駅に観光客が降り立つ要素はほとんどないので、通学の高校生が主な乗客だ。
駅は、古いが立地は街中にあり、通学の足としては十分機能する。
待合室は、まさに昔そのままの状態で、モンペ姿の女学生が座っていても驚かないだろう。
建物の状態は悪く、補修などもされていないので、ぼろぼろだった。
でも、造り付けの木のベンチはなかなか素敵だ。
ホームは、なんと盛土に砂利を敷いてあるだけ。
草の生えたホームだ。きっちりと舗装されたホームなんてゴマンとある。
これだけでも、この駅は価値がある。
由利高原鉄道もご多分にもれず、赤字路線で、
採算だけを考えたら、存続できない路線だ。
地元の足を守るための公的資金の補助でかろうじて存続している。
同じ秋田県内の「秋田内陸縦貫鉄道」は、廃止が示唆された。
この路線も遅かれ早かれ、廃止が論議されることだろう。
この風情ある駅も、意図的に残されているわけではなく、単に駅舎建て替えの
予算と必要性がないから、そのまま残っているに過ぎない。
鉄道が廃線になることは、実用問題以上のダメージがあるはずだ。
子供の頃、世の中はすべて発展していくと思っていた。
鉄道がないところに、新たに鉄道が出来ても、今ある鉄道が廃止されることなんか
考えなかった。
僕が老人になった時、この街はどうなっているのだろう。ふとそう思う。
都会では、鉄道の代替輸送としてバスがある。
でも、ここでは、そのバスの路線廃止も相次いでいる。
いまは、車でどこにでも移動できる。正直、鉄道に乗ることもほとんどない。
でも、自家用車以外に移動手段のない街ってどうなんだろう？
これが地方都市の現実なのかもしれない。
素人発想でいくと、この鉄道は新しいものを目指すのではなく、
いっそのこと、昔の古い車両を集めて「レトロ路線」としてやっていっては
どうだろうかと思う。新しくなった駅舎の代わりに、全国の古い駅舎を移築して・・・。
さて、鉄道ファンの皆さん。この夏休みに風情ある「薬師堂駅」を見物に来られたら、どうでしょう？
来年に残っている保障はありませんよ・・・。
RICOH GR DIGITAL2
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我が街近郊にも、1912年にできたわたらせ渓谷鉄道なる第三セクター鉄道があり、置かれている状況も全く一緒ですね。
小生の持論として、「駅前」繁栄論があるものの、
80有余年歴史が有りながら、全く繁栄もせずよくもまあこんな需要の無いトコに無駄に停まっているなぁなんてね。何故だろう。
出来た当初は、何か重要な意味があったのかなぁとか想いを馳せます。
原油高騰の折、公共交通機関の良さが見直される傾向にあり是非とも存続して欲しいモノです
一鉄道ファン
上総さん、薬師堂駅、確かに載っていましたね。
「わたらせ渓谷鉄道」は今度調べてみます。
鉄道って廃止になれば、復活は不可能ですよね。全国に似たような状況のところが他にもあると思いますが、がんばって欲しいものです。
いい写真ですね。
自分も２０歳からカメラを始め、３０年以上経ちました。
今では、デジカメオンリーでフィルムカメラの良さを何処かに忘れてきました。
ペンタックス６７のカメラに重い三脚をもって夕陽を撮ったり鳥を撮ったり・・・・・
今ではカメラの変わりに筆を持ってます。
古いレンズ独特のボケ具合なんか今では新鮮に感じますね。
また遊びに来ます。
そして、一眼レフ（旧キャノンＦ1）を持って
出かけてみようかな？
ありがとうございました。
コメントありがとうございます。
フィルムカメラの良さって確かにありますよね。
この写真はデジタルですが、僕も本来はフィルムメインの人間です。
ペンタ６７には負けますが、重たいマミヤRB67をたまに持ち出しております。あ、でも最近ほとんど使っていませんね。
この便利な時代にフィルムを使うのも、一興です。お互い頑張りましょう。
この記事も、フィルムで撮ればよかった。
本当に雰囲気のある駅で、好きだったので、新しくなってしまったのは残念です。
この当時、来年に残っている保証はないと書いていて、その通りになったので、
驚いています。
こういうコメントを頂けると、撮っておいてよかったと思えます。