No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

巨星墜つ、ゴルゴ13作者のさいとう・たかを氏が亡くなられる

2021-09-30 | その他



『ゴルゴ13』の作者、漫画家さいとう・たかを氏が、9月24日にすい臓がんのためお亡くなりになった。84歳だった。ゴルゴ13シリーズは、昨年第201巻を刊行し、ギネス世界記録を達成していた。その後、「こちら葛飾区亀有公園前発出所」に並ばれたが、先ほど第202巻を刊行し記録を更新していた。ゴルゴ13は、ただ連載期間が長いから凄いのではない。圧倒的なリアリティに基づいた質の高い作品を積み重ねたから凄いのである。そして、プロとして、男としての美学を今なお磨き続けている。さいとう・たかを氏は、この日がいつか来ることを予期し、きっちりと備えていた。コミックにおけるプロダクション制を既に確立している。氏の総監督の下、脚本も作画も専門のスタッフが担当する分業体制を敷いている。氏亡き後も、ゴルゴ13の連載は継続されるそうだ。デューク東郷は記憶の中だけでなく、今後もこの世界を生き続ける。製作者として、これ以上の喜びはないだろう。それでも正直なところ、氏のいない世界のゴルゴ13は哀しいのも事実だ。

下記にリンクを張ったが、僕はこの8月にゴルゴ13のコミック全201巻をコンプリートし、その後発売された第202巻も入手している。それまで「ゴルゴ13は、ラーメン屋とか床屋で読むものだ」と言っていたけど、家人から誕生日のプレンゼントとして貰ったのだ。そして専用の本棚を買い、空き部屋の一角に「ゴルゴスペース」を構築した。改めて第一巻から読み直している。まだ第10巻くらいである。シリーズ初期には、ナチスの残党の暗殺依頼などのストーリーが多い。それもそのはず、連載開始は1968年である。まだ第二次世界大戦が終わってから23年しか経っていなかった。それから50年以上が経過し、いまだゴルゴ13は健在であり続けている。それにしても、コミックをコンプリートし、読み直しを始めてから、まだ一ヶ月。このタイミングに運命みたいなものを感じる。僕は読むべきして、もう一度ゴルゴ13を読んでいるのだと思う。改めて、さいとう・たかを氏ごの冥福をお祈りいたします。僕はコミックを読み進めていきます。そしてゴルゴ13は、今後も世界を駆け巡ります。どうか安らかにお眠り下さい。




コメント (4)    この記事についてブログを書く
« 物想う銀次郎 | トップ | 駅前の光景 JR北上線・黒沢駅 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (たたら)
2021-09-30 06:36:43
お邪魔します(*- -)(*_ _)ペコリ
分業制とはうまいことやるな、と思ってました。
最近はPCを使って漫画を描く人が多くなっていますが、それなりの年齢だと手書きのままだったりします。
その場合、やはりお歳には勝てないというか……。
70過ぎても繊細な絵を描ける人もいますが、若い頃から比べて画力が落ちている人もやっぱりいるわけで読者としてはガッカリします。
人に任せるという言い方は変かもしれませんが、クオリティー維持の為には分業で作品を作り上げるのもいいかもしれません。
でも、それを実行できるくらいスタッフを抱えるには売れなきゃ駄目ですけどね。
202巻発行できるのは凄いです!
Unknown (上総)
2021-09-30 23:59:30
映画の作り方を漫画に取り入れての分業だと聞きました。
表情の少ない(ほとんど無い)東郷の顔だけは、さいとうさんしか、書けないと。

さいとうさん。自体が床屋さんだったというのを今回知りました。
もっと頑張って欲しかった。
たたらさん (6x6)
2021-10-01 06:16:51
分業制は基本的に、ゴルゴ13(デューク東郷)は、さいとう先生が描き、背景担当とか武器担当とか、そういうスタッフがいました。
実際には普通の漫画家だってアシスタントに描かせるわけですが、全員スタッフとして名前がクレジットされます。
脚本も例えば、中東問題、金融問題など分野ごとのプロに委託したようです。
「映画」制作みたいな感じだったようです。
仰るとおり、漫画家が「楽」をするための分業(委託)ではなく、クオリティ維持のために意図的にやったようですが、当初は批判もすごかったそうです。


それもこれも売れなきゃ出来ない。その通りですね。今後の新作がどういうものになるのか、気になります。
上総さん (6x6)
2021-10-01 06:21:04
本当に映画製作みたいな感じですよね。
スタジオジブリにも近いところもあるかも。
「ドキューン」とか銃声のテキストなんかも、さいとう先生が「マジック」で描いているのをテレビで見たことがあります。
譲れないラインが、きっとあったんだろうなと思います。

寂しいですが、ゴルゴは生き続けると考えたいと思います。

コメントを投稿