グレースの自動車・鉄道撮影記

80年代の自動車(日本車と日本車ベース自動車)の画像や鉄道車両(115系等)の写真など。画像の無断転載は固くお断り。

2023年9月に撮影した起亜コンコード前期型

2023-09-26 23:31:59 | 韓国の自動車
 全斗煥政権下の自動車合理化措置が1987年に解除され起亜自動車でも乗用車を生産できるようになった。合理化措置解除後、フォードフェスティバ・マツダ121ベースのプライドの生産を開始し、好評だったこともあり、それに続き中型車のコンコードを1987年10月より生産することになった。
 コンコードは当時、マツダで生産が終了していたGC型カペラをベースに生産され、大宇ロイヤルや現代ソナタと同クラスの中型車というポジションだったが、これらと比べると室内が狭く感じられたのか、販売面では苦戦したらしい。
 エンジンはマツダで使用していた2.0SOHC Fエンジンを搭載、その後1.8SOHCや2.0DOHC・タクシーモデル用の1.8LPGと2.0ディーゼルエンジンモデルが追加された。
 販売面では苦戦したと書いたが、日本車ベースとあり、性能も良かったのか弁護士・医師・知識人などには愛用されたという話もあり、高速道路の帝王と呼ばれたこともあるらしい。高速道路の帝王と呼ばれるにはマツダ由来の技術が韓国社会で発揮されたということだろう。

 コンコードは1987年から1995年までマイナーチェンジを経ながら販売されたが、今回見掛けたのは1987年から1991年3月までの初期型モデル。コンコードの初期型モデルは滅多に見なくなり、大田1ナンバーという地名表記一桁ナンバーなので貴重な個体である。元となったGCカペラはどちらかと言えば大衆車的な存在だが、起亜コンコードは上位的なポジションの自動車とあってカペラを豪華にしたような外観が特徴である。日本人の自分から見るとどことなくマツダのペルソナと近い雰囲気を感じる。

 リア。管理状態は良いとは言えないが、それでも博物館でも無い所で路上で普通に見られるだけでも奇跡的だと思う。
 リア左側にコンコード2.0と書いてあるから2.0SOHC Fエンジンモデルと思われる。
 リア右側にはDGTのロゴがあるが、これはデジタルメーター付きの意味。デジタルメーターは1988年7月以降のモデルに搭載されたもの。
 運転席ドア左側にはGLXの文字があるが、高感度3段コンポーネントオーディオが付いてるそうで7種類の音色を調整出来るイコライザーまで用意されたらしい。
 韓国の自動車愛好家の方によると1989年7月に登録された車両とのことである。

 序でに2023年7月に日本の大国に来たあの個体の写真を





 
 この個体はAT車。AUTOMATICのロゴ入り。


 
 大国での写真が微妙になってしまったが、令和になって日本で滅多に見れないGCカペラ・韓国でも滅多に見れないコンコード前期型を2台見れるとは奇跡だと思った。どちらの個体も長く走ってほしいものだ。