コノシロと読みますが(魚へんに冬もコノシロです)、先日受験した『第一回さかな検定』のパンフレットにはこの字の説明があり、“…江戸時代、サンマが穫れる時期になるとお祭り騒ぎのようだったことから一文字で表す時には魚へんに祭を用いた”とありましたので、本日はサンマでいかせていただきます。
私が初めてお刺身でサンマを食べたのは、九十年代後半のことです。居酒屋さんにありました。季節は‥覚えていません。習志野市で生まれ、千葉市で育った私にとってサンマは秋になると塩焼きでしょっちゅう食べるものでした。それがお刺身で出てきたので驚きました。どんな気持ちだったかというと牛肉のカルパッチョを食べた時と馬刺を食べた時、鶏刺しが一番近い感情だったかもしれません。最近では茹でていないトウモロコシ、生トウモロコシというものがあると知った時でしょうか。いずれも「へぇ~、生でもいけるんだ!」です。
それから時が経ち、毎年七月の上旬。
北海道のサンマ漁解禁のニュースが流れ、入荷初日の築地市場は“初荷”と書かれた幟(のぼり)があちこちにたち初物のサンマを迎えるのだそうです。
冷ケース内にサンマを見つけると「今年も始まったんだな」と思います。お刺身ではおよそ二ヶ月間のおたのしみです。主人は八月の後半になると仕入れるのをやめます。秋、身が太り脂が乗って塩焼きでおいしい頃にはもう置かないからです。
何かサンマについて思うところは?と主人に訊ねると
「青海波と幟」
と返ってきました。
「表面が江戸文様の“青海波(せいがいは)”そっくりだよなー。ぜったいこの柄パクってるよ!!昔の人はサンマの皮をじーっと見て描いたんじゃないかな」
あと幟です。
「場内に幟がたつのが年二回、お正月の初荷とサンマの初荷の時だけ。へぇーって思ったね」
初荷の日に魚を仕込む主人はどことなく紅潮しています。
市場の空気も運んで来るのでしょうか。
秋はサンマの季節です。
魚へんに祭でコノシロと読みますが(魚へんに冬もコノシロです)、先日受験した『第一回さかな検定』のパンフレットにはこの字の説明があり、“…江戸時代、サンマが穫れる時季になるとお祭り騒ぎのようだったことから一文字で表す時には魚へんに祭を用いた”とありましたので、本日はサンマでいかせていただきます。
私が初めてお刺身でサンマを食べたのは、九十年代後半のことでした。居酒屋さんのメニューにありました。季節は‥よく覚えていませんが夏から秋にかけてだったのでしょうか。習志野市で生まれ、千葉市で育った私にとってサンマは秋になると塩焼きでしょっちゅう食べるもので、それがお刺身で出てくるなんて驚きでした。どんな気持ちだったかというと牛肉のカルパッチョを食べた時と馬刺を食べた時の恐る恐る口に運んだ感じ‥いや、鶏刺しを目の前にした時が一番近い感情だったかもしれません。最近では茹でていないトウモロコシ、生トウモロコシというものがあると知った時です。いずれも「へぇ~、生でもいけるんだ!」でした。
それから時が経ち、毎年七月の上旬。北海道のサンマ漁解禁のニュースが流れ、入荷初日の築地市場は“初荷”と書かれた幟(のぼり)があちこちにたち初物のサンマを迎えるのだそうです。サンマのお刺身、当店では五十日ほどのおたのしみです。主人は八月の後半になると仕入れるのをやめます。秋、身が太り脂が乗って塩焼きでおいしい頃にはもう置かないからです。
「サンマで連想するものは?」と主人に訊ねたら「青海波(せいがいは)と幟だね」と言いました。
「サンマの皮が江戸文様の青海波そっくりだよなー。ぜったいこの柄パクってるよ!!昔の人はこの皮の表面をじーっと見て描いたんじゃないかな。あと幟。築地場内に幟がたつのが年二回、お正月の初荷とサンマの初荷の時だけ。へぇーって思ったね」
築地の活気に影響されるのでしょうか、初荷の日の主人はどことなく紅潮しています。
もうすぐサンマの季節です。