四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

蝦蛄(しゃこ)の旬は春と秋の2回。春の入荷は今週で終わりそうだと豊洲市場の仲買さんが言っていたそうです。

あら

2016-09-19 23:35:00 | わたしの魚(ウォ)キペディア 第1回~第

わたしの魚(ウォ)キペディア 第27回 あら

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アラという魚を知ったのは『美味しんぼ』でした。
何巻か忘れましたがその回のあらすじはたしかこんな感じだったと思います。

東西新聞の大原社主には贔屓にしている横綱がいる。社主は翌日におこなわれる激励会の幹事になっており、横綱に何が食べたいかを訊ねたところ“アラの鍋”が食べたいと言われたので、部下の山岡に「魚の臓物や骨、頭のようなアラを使った鍋、今の季節だったらブリだからブリのアラの鍋を用意するように」と指示を出す。
たまたまそこに居合わせた海原雄山が「大原社主はこのままだと大恥をかくだろう」とだけ言い残す。その言葉に引っ掛かりながらも、栗田さんとおいしいブリのアラ鍋を作る準備を進めていく山岡。
ギリギリになって山岡はアラは臓物や骨のことではなく、幻の魚といわれているあの“アラ”だと気付く。福岡の料亭に頼み込んでお客様にお出しするのが決まっている立派なアラを譲ってもらい、なんとか本当の“アラ鍋”を登場させることに間に合う。
「これが食べたかったんです!」と喜ぶ横綱。それを見て満足そうな大原社主。ほっとする山岡。雄山が山岡にヒントを出してくれたのではないかと思う栗田さん。

スピリッツ‥いや、単行本で読んだと思います。二十代だったでしょうか。『美味しんぼ』は面白いし、勉強になるなぁ~!アラっていう魚がいるんだー、いつか食べてみたいなー。アラ鍋ってどんな味がするんだろうなー‥。そんなことばっかり考えていました。

初めて店で仕入れた時は興奮しました。マンガで見たアラほど大きくはありませんでしたが、ちゃんとアラでした。ちなみに学研の『食物事典』のアラを見たら写真ではなくイラストでした。
きっと撮影のスケジュールに合わせて本物のアラを用意できないくらい希少な魚だということなのかな‥と勝手に推測しています。