南の海のワナビ

小説家を目指す「南野海」の野望ははたして達成されるのか?

古典部シリーズ最新刊「遠まわりする雛」

2007-10-07 23:45:00 | 読書
 米澤穂信さんの最新刊にして、古典部シリーズ最新刊でもある「遠まわりする雛」読了しました。
 七作の連作短編集で、野生時代やザ・スニーカーに連載したものに書き下ろしの表題作を最後につけたものです。
 相変わらず日常的なちいさな謎を解き明かしていく青春ミステリーですが、この中でもとくに印象深いのは、最後のふたつ、「手作りチョコレート事件」と「遠まわりする雛」でしょう。
 なぜなら、一番青春しているからです。
 もちろん、この二作にもちょっとした謎は出てくるのですが、その謎時代はそれほど重要ではありません。
 重要なのは、「手作りチョコレート事件」の犯人の動機であり、「遠まわりする雛」での、主人公奉太郎のえるに対する気持ちなのでしょう。
 とはいえ、じつは南野には完全にわかるわけではないのです。
 「遠まわりする雛」のラストの奉太郎の気持ちは十分にわかります。しかしそれと同じような気持ちのはずの、「手作りチョコレート事件」の犯人の気持ちがどうしてもわかりません。
 くり返し読んでもわからないのです。
 これはひょっとして南野にはもう高校生の気持ちはわからないということなのでしょうか?
 そう考えるとちょっと悲しい。
 たぶん、青春時代にだけ許される保留ということだと思うのですが、それでも完全には理解できないのです。
 まあ、この犯人の考え方が特殊で、普通の人にはわからなくてとうぜんだというのならいいのですが……。
 どうなんでしょう?

遠まわりする雛
米澤 穂信
角川書店

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ホレイショが帰ってきましたよ

2007-10-07 00:31:41 | アメリカドラマ
 WOWWOWで「CSIマイアミ」の最新シーズンが放映開始しました。
 ホレイショとデルコが前シーズンで結婚したデルコの姉さんを殺した犯人を追ってブラジルからのスタート。
 ホレイショ、オープニングから巨大なキリスト像をバックにどど~んと登場(ワロタ)。
 鑑識課のくせに相変わらず拳銃撃ちまくりです。
 マイアミではホレイショ不在の間、カリーがチーフ代行ということでいばってます(笑)。
 っていうか、ホレイショ、ブラジルで捜査権あるのか?
 それはともかく、ブラジルでは弟殺されるしさんざんな目に合います。
 怒りのホレイショ、ついに犯人を刺殺。(一応、正当防衛っぽいけど)
 ホレイショ、ブラジルじゃ民間人だろ? 殺しはまずいだろ(笑)。
 刺したあと、「俺を舐めるな」とか言ってるし。
 しかもその直後、あっさり帰国(とめろよ、ブラジル警察)。
 ひょっとして、バックれたのか? ホレイショ。
 さらにもどってきたマイアミでは甥っ子のピンチにさっそうと現れて犯人射殺。
 今回だけでふたりも殺してるぞ、ホレイショ。鑑識課のくせに。
 もう、どこから突っこんでいいかわかりません。

 相変わらず、ホレイショのバックには青空と灼熱の太陽が輝いています。
 CSIシリーズの中でももっともつっこみがいのあるシリーズにして、主任ホレイショ・ケインが帰ってきましたよ。
 ああ、来週もまたホレイショの勇姿を見なければ。

 あ、そういえば、今回ひさびさにイエリーナ(吹き替えの声がおばちゃん臭い人)が出てきました。

CSI:マイアミ シーズン3 コンプリートDVD BOX-1

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「バットマンビギンズ」はアメコミ映画の最高傑作

2007-10-06 01:10:14 | 映画
 テレビで「バットマンビギンズ」見ました。
 劇場に引き続き、二回目ですが、やっぱりこれはおもしろい。
 どう考えても「スパイダーマン」だの「X-men」だのよりずっとおもしろいです。
 いや、バットマンシリーズの中でも最高の出来。いや、まちがいなく、アメコミ映画の最高峰。
 このダークでハードな雰囲気がたまりません。
 まあ、出演で話題になった渡辺謙は、ただのちょい役の上、かませでしたが。
 あとまあ、メインキャラで女性はただひとりの上、ちょっとあれでしたが。

 今回はバットマン誕生の話。前回までの話はなかったことになって完全リニューアル。
 ブルース・ウエインは前半で犯罪を犯したり、両親の敵を撃ち殺そうとしたり、けっこう悪。ただの金持ちのボンボンじゃありません。
 それが正義に目覚めていく。そのへんが見せます。
 もっともヒロインに「心は見えないもの。人は行動で評価される」とか、説教カマされたり、引っぱたかれたりしますが。

 とにかく、前半の訓練のシーンからクライマックスまで見せ場のてんこ盛り。
 バットモービルがパトカーを踏みつぶしたり、ひっくり返したりしながらのカーチェイスは見物。
 さらにクライマックスのモノレールのシーンは燃えます。
 ただそのちょっと前の、スケアクロウがレイチェルにスタンガンであっさりやられるのには笑っちゃいましたが。

 なんにしろ、アクション好きならアメコミ嫌いでもこれは見るべきです。

 あ、それと最初に見たとき、ルトガー・ハウアーとゲーリー・オールドマンが出ていたことに最後まで気づきませんでした。
 だってこいつら、変わりすぎ。

バットマン ビギンズ 特別版

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第6回スーパーダッシュ小説大賞「鉄球姫エミリー」

2007-10-02 17:27:52 | 読書
 第6回スーパーダッシュ小説新人賞大賞の「鉄球姫エミリー」が発売になりました。
 一応ワナビとしてはチェックせねばなるまいと、読んでみたのですが、ううむ、かなり癖のある作品でした。
 まず主人公のエミリーですが、王女なのに下品というか、スケベな中年親父そのもの。
 これは審査員の先生にも受けが悪かったようですが、悪のりしすぎでは?
 講評に下ネタがどうのこうのと書かれてありましたが、読んで「こういうことだったのか?」と納得。
 まあ、たしかに個性的なヒロインと言えばそうなんですが……。
 そして下品な王女と、それにふりまわされる人々のどたばたコメディと思わせておいて、話はどんどん過激かつ陰惨になっていきます。
 なにせ主要登場人物、敵も味方もほとんど死にますから。(敵にしたところで根っからの悪党というわけでもないのに)
 このへんはいろいろ評価が分かれるところかも。
 南野はそのへんのところはだいじょうぶ。そんなことで鬱になったりはしません。
 基本的にストーリーはすごくおもしろいんじゃないでしょうか?
 キャラも主役はちょっとあれだけど、敵役の設定はかなりいいと思います。
 南野が一番気になったのは、文章ですね。
 めちゃくちゃ読みづらいです。
 とくにバトルシーン。
 テンポ良く、ぱんぱんぱんとリズムに乗って読ませなくちゃいけないところで、くどい描写が入る。
 しかもくどいわりにわかりづらい。
 どんなバトルがくり広げられているのか把握するのに、努力が要ります。
 冒頭から視点がころころ変わりすぎるのもどうかと。
 正直、ここ数年のラノベ新人賞の受賞作(南野が読んだもの限定ですが)の中でももっとも読みづらい作品でした。
 なにをえらそうにと思われるかもしれませんが、これは正直な感想。
 まあ、たんに文章のリズムが南野と合わなかっただけかもしれませんが……。
(ネットの評判を見てみると、すごく読みやすいという人もいるので、南野が特殊なのかもしれません)

 部分的に受け入れがたいところもあるけど、個性的で波瀾万丈の物語を書く作家って感じでしょうか?
 冒頭数ページを読んでみて、この文章が苦にならない人ならば、読んでみることをおすすめします。

鉄球姫エミリー (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-1)
八薙 玉造
集英社

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コメント (2)
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