南の海のワナビ

小説家を目指す「南野海」の野望ははたして達成されるのか?

第6回スーパーダッシュ小説大賞「鉄球姫エミリー」

2007-10-02 17:27:52 | 読書
 第6回スーパーダッシュ小説新人賞大賞の「鉄球姫エミリー」が発売になりました。
 一応ワナビとしてはチェックせねばなるまいと、読んでみたのですが、ううむ、かなり癖のある作品でした。
 まず主人公のエミリーですが、王女なのに下品というか、スケベな中年親父そのもの。
 これは審査員の先生にも受けが悪かったようですが、悪のりしすぎでは?
 講評に下ネタがどうのこうのと書かれてありましたが、読んで「こういうことだったのか?」と納得。
 まあ、たしかに個性的なヒロインと言えばそうなんですが……。
 そして下品な王女と、それにふりまわされる人々のどたばたコメディと思わせておいて、話はどんどん過激かつ陰惨になっていきます。
 なにせ主要登場人物、敵も味方もほとんど死にますから。(敵にしたところで根っからの悪党というわけでもないのに)
 このへんはいろいろ評価が分かれるところかも。
 南野はそのへんのところはだいじょうぶ。そんなことで鬱になったりはしません。
 基本的にストーリーはすごくおもしろいんじゃないでしょうか?
 キャラも主役はちょっとあれだけど、敵役の設定はかなりいいと思います。
 南野が一番気になったのは、文章ですね。
 めちゃくちゃ読みづらいです。
 とくにバトルシーン。
 テンポ良く、ぱんぱんぱんとリズムに乗って読ませなくちゃいけないところで、くどい描写が入る。
 しかもくどいわりにわかりづらい。
 どんなバトルがくり広げられているのか把握するのに、努力が要ります。
 冒頭から視点がころころ変わりすぎるのもどうかと。
 正直、ここ数年のラノベ新人賞の受賞作(南野が読んだもの限定ですが)の中でももっとも読みづらい作品でした。
 なにをえらそうにと思われるかもしれませんが、これは正直な感想。
 まあ、たんに文章のリズムが南野と合わなかっただけかもしれませんが……。
(ネットの評判を見てみると、すごく読みやすいという人もいるので、南野が特殊なのかもしれません)

 部分的に受け入れがたいところもあるけど、個性的で波瀾万丈の物語を書く作家って感じでしょうか?
 冒頭数ページを読んでみて、この文章が苦にならない人ならば、読んでみることをおすすめします。

鉄球姫エミリー (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-1)
八薙 玉造
集英社

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コメント (2)
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