編者のつぶやき

川田文学.comの管理者によるブログ。文学、映画を中心に日常をランダムに綴っていく雑文

幻化

2016年08月18日 | Weblog
Amazonのヘビーユーザーだ。
Kindleで読書して、買い物や、贈り物は、もちろん。プライム会員なので、映画やドラマもチューナーをテレビに接続して観ているので、ほとんど民放は観なくなってしまった。
通勤の行き帰りは、Amazonミュージック。
プライム会員料は、たった3900円。ひと月ではない。年間でだ。
こんな宣伝してもAmazonからお金を貰える訳ではないが、お得感がハンパない。

Kindleでは、無料本もけっこうあって、青空文庫にある作品は無料でダウンロードできる。電子書籍のすごい所は、意味のわからない文字に指を当てると、検索が出来る点だ。

先日、梅崎春生の『幻化』を久し振りに読んだ。学生のとき、全集から探し出して読んでいたのに、今はこんなに楽に入手できる。
実に20年以上ぶりの読み返しだが、感動した。拙い表現で恐縮だが、胸にじんわりと血が入っていくような、静かな高揚感がたまらない。

確か以前、山崎努が主演でNHKでドラマ化されていたが、文章にはかなわなかった。

社会的にくずみたいな孤独な人間の、秘められた哀しみと、命の尊さ。
日本文学でしか表現できない神業だろう。