編者のつぶやき

川田文学.comの管理者によるブログ。文学、映画を中心に日常をランダムに綴っていく雑文

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列車に乗った男

2007年08月26日 | Weblog
 最近の映画はどれもこれもCG映画ばっかりで、いい映画にあたらないな、と思っていたのですが、久々にいい映画観たな。まだこういう映画があるんだなぁ。川田先生に教えてもらって観たんですが、「列車に乗った男」というフランス映画。やはり、フランス映画って、男の渋い友情ものを作らせたら、ぴか一ですね。ジャン・ギャバンの「冬の猿」、フィリップ・ノワレの「危険な友情」とか。今ちょっと調べてみたら、「危険な友情」なんかはカルト級みたいですね。(情報量が少ない)。どうしていい映画ってヒットしないんでしょう!
 まあ、それはさて置き、「列車に乗った男」に戻りましょう。
 銀行強盗をするために、田舎町に降り立った初老の流れ者と、その土地で平穏に暮らしてきた大学の先生をしていた老人との駅での出会いから、死ぬまでの3日間の話。なんか「鬼火」みたいでしょ。元大学教授の家に数日泊まらせてもらうことになる。元教授は、流れ者の荷物の中に拳銃があるのをみつけ、あらゆる土地で壮絶な人生を歩んできた男に、憧れに似た気持ちを抑えきれない。
 銀行強盗は、最後の仕事と決めてたが、流れ者は何となく身の危険を感じている。そして、大学の元教授は、大手術を控えており、どちらも死の予感を感じながらも別れの日に決行する。どちらも失敗。つまり、死ぬのだが、元教授は死に際に幻をみる。

 あとは、書くとつまらなくなるので、書かないが、このラストシーンを見たときは、頭をトンカチで叩かれたような衝撃が走った。まったく違うように生きてきたはずの二人だが、実は心の根本は同じで、経験や時間を越える友情、気持ちのふれあいのようなものが一瞬に理解できました。
 映画の中に「その顔をよく見ろ。お前は老いた、だから美しい」、という台詞があったけど、たぶん、その辺の日本映画とかで使われると臭くて浮いちゃいそうだけど、この映画自体テンションが高いので、ぜんぜん浮くこともなく、素直に素晴らしいなあ、と思えました。
 また、家庭教師に通ってくる少年に、バルザックの「ウージェニ・グランデ」という小説の中に出てくる、男を待ち続ける女の心情を問う場面があった。この作品も読んでみたい。