編者のつぶやき

川田文学.comの管理者によるブログ。文学、映画を中心に日常をランダムに綴っていく雑文

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東映映画

2011年05月11日 | Weblog
 東映の偉い人がなくなったそうだ。何でも、映画界のドンと呼ばれていたらしい。お葬式に参列した菅原文太が亡き骸に向かって、「この偽善の世の中に喝を入れるような作品がきっと出てきます。大丈夫です」というようなことを言っていた。
 確かに、最近の邦画(洋画もかも・・・)は、おキレイ過ぎて、つまらない。おキレイというのは、美男・美女の俳優が出ているという意味ではない。血が出ないとか、性交シーンがない、というものでもない。何というか、『人間』が描かれない、というか、無難すぎるのだ。だから単純なストーリーを種明かし的に時間を交差させ、「だまされたでしょ。実は、こうなんですよ。」というような、どんでん返しを狙ったような作品が多いような気がする。何度も観れる作品ではない。

 テレビのニュースでは、東映映画といえば「任侠もの」が有名らしいが、私の中の東映映画といえば、なんといっても、中村錦之助。片岡知恵蔵。この二人が大好きだ。実は昨年は、市川雷蔵の死後60周年、ということもあってだいぶハマって、ついでに長谷川一夫や、林成年、山本富士子も好きになったりして、昭和30年代の大映映画を50本ぐらいを観た。散々観たが、大映映画は様式美を表現させたら天下一品だが、娯楽性が強く女性受けする作品が多いというイメージが強く残り、やはり東映映画の大人の世界にかなわないなぁ、という結論に達していました。
 最近リバイバルされた東映の「十三人の刺客」なんかも片岡知恵蔵が出演していて、面白かったのですが、何といっても内田吐夢の「血槍富士」。これは5回くらい観たけど、すごい。宮本武蔵シリーズが有名ですが、中村錦之助はとにかく「冷や飯とおさんとちゃん」「関の彌太ッペ」素晴らしすぎ。何度観ても感動します。どれも、実は映画通の川田先生に教えてもらった作品ですが・・・。(「あれあ寂たえ」という本の中で紹介しています。)

 菅原文太は、上記のように言いましたが、私個人の意見としては、もうそんな映画は出てこないという気がしています。映画黄金期昭和30年代の映画は、面白いだけでなく、庶民の夢で、美しく、かっこよく、憧れでした。
(金を落とす)観客が主人公でなけでばならない現代、作品の主人公は、見る側大多数を占める、小市民自身の投影でなければいけません。ヒーローはもはや求められていない。だから、こじんまりとした作品しか、受けないのです。これは、映画だけでなく、漫画が原作になることも多いようですが、原作になるだろう小説などの文章作品にも同じことがあてはまるのではないでしょうか。寂しい・・・。私はヒーローが好きです。それは腕力だけでなく、強い精神、潔いかっこよさ、やさしくて人間味に溢れる。異性にモテて、頭がいい。それがヒーローです。現実世界ではなかなかお目にかかれない、だから夢がある、私はそう思います。