編者のつぶやき

川田文学.comの管理者によるブログ。文学、映画を中心に日常をランダムに綴っていく雑文

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野辺地反歌

2007年11月24日 | Weblog
 私は、先生の詩が大好きです。まだ無名の川田先生の歌をほとんど諳んじることができるのは、広い日本といえど、私だけじゃないかな、と思っています。
 今回の週言は『全き詩集』に収められている「野辺地」の反歌でした。私のHP・川田拓矢応援ページの作品紹介の中で、以前から掲載していたのですが、今回あらためて、先生から寄稿されました。横書きネット公開の抵抗は、どうしても拭えませんが、言葉の透明感、リズムのよさに、緊張感のあるノスタルジックな抽象が重なっていくのが、美しい。
 「野辺地」は特に、私が好きな歌で、先生の小説をすべて読んでいる読者はおわかりかと思いますが、先生が、14歳のとき名古屋から、青森に転校させられたときの歌です。この心境は『牛巻坂』というより、『風と喧噪』や『ブルー・スノウ』に詳細に綴られています。また、反歌に出てくる「ミー助」は『五百野』に登場しています。先生の作品群の醍醐味は『全き詩集』という韻文が集約物のようになっていて、小説の散文という形で少しずつ繋がっていく、というところでしょうか。
 若い皆さんは、最近は活字離れが進んでいるそうなので、もしかしたら文章にしか表せない抒情的観念に疎いかもしれません。でも、少しずついい本を読み解いていけば、脳みその中のニューロンが少しずつ根を張って、どんどん敏感になっていくはずです。私も30を越えたあたりから、やっと本が読めるようになったな、と思っています。
 脳と筋肉は鍛えれば、死ぬまで発達すると、先日ラジオでどこかのお医者様が言っていました。筋肉は目に見えますが、脳は目に見えません。でも、脳の発達も目に見える、と私は思っています。それは顔です。若いときの顔は、脳が未熟でも若々しい皮膚のせいで美しく輝いて見えますが、脳を鍛えている年を重ねた顔の表情の美しさには叶わない。しかし、その美しさも、同じように脳を鍛えてきた人にしかわからない美しさかもしれません。
 それって、文学に似てません?
 川田先生の作品は、そんな人を裏切らない。「活字離れだよな、俺って・・・」と思ったひと、それを思った時点であなたは、謙虚で正直な若者です!それだけで、川田文学に挑める素質を持っている。