でぶぶろぐ

沖縄生まれ、小田原在住。
人生1/2世紀越え、
でぶな私のゆるゆるな日々。

春を過ぎても啼く鶯(ネタバレあり)

2016-03-13 10:02:08 | 演劇

久々の劇団☆新感線。
ブログを見てみたら、2年ぶりでした。

新橋演舞場にいたっては5年ぶり!

花道横の席を取れてしまった!ラッキーすぎて怖い!

都合により会場に着いたのが開演2分前という超ギリギリ。
11:10に東京駅について、長蛇のタクシー待ち列を乗り越え
7分で新橋演舞場に到着。綱渡りだ。
ジューダス・プリーストから聞けたよ!

いのうえ歌舞伎《黒》BLACK「乱鶯」(みだれうぐいす)。

古田新太演じる元盗賊が、命の恩人(の息子)への恩返しのため
盗賊の「引き込み」を引き受けるが・・・というのがテーマ。

他の方のレビューにありましたが、
確かに池波正太郎作品のようなストーリーですね。
大東俊介の不器用極まりない、生一本な若さや
橋本じゅんのワルい盗賊も、なにやら鬼平を思わせる。

典型的な新感線作品と違って、
リアルな江戸時代が舞台なので、説明台詞が少なく、
会話がポンポンとリズミカルに進みます。

「阿修羅城」のころのように、
グイグイと引き込むような強さはないけれど、
時間の長さは全然感じさせない。

「殺陣が地味だ」という感想もあるけど、
このストーリーにはちょうどいいような気がします。
華々しいチャンバラシーンがないからこそ、
人々の暮らしのなかで起こることを描いている作品に
仕上がったのかなと。

古田新太が地味に感じたのも、
かつての作品では「花形」的な役割だったのが
今回は「座長」的な役割で、
全体をまとめ上げる立ち位置だからなのでしょう。

さて、観ている私自身のほうも、
最近は主役よりも悪役に惹かれることが多い。
大谷さんがもうカッコいいったら。

ラストシーン、古田新太演じる十三郎のもとに
ひとり向かう大谷さん演じる黒部源四郎。
ふたりが向かい合う中、江戸の花火が咲き乱れ。

いままでの新感線で、一番好きなラストシーンでした。

終わった後にテンションが上がるというよりも
じんわりと「面白かったねえ」という後味。

ストーリーや殺陣、セリフ回しなどなど、
時を経て、新感線は「いま」こんな舞台を創るようになった、
ということなのでしょう。

乱鶯とは、夏になっても啼く、
華の時期を過ぎても歌う鶯。

そのタイトルに、いまの新感線の姿が重なると思うのは
ちょっと考え過ぎかな。


追伸 新橋演舞場の「乱鶯」弁当。美味し。

 

 

 



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