でぶぶろぐ

沖縄生まれ、小田原在住。
人生1/2世紀越え、
でぶな私のゆるゆるな日々。

今年の芝居初めは「朧の森」から(ネタバレあり)

2007-01-23 18:17:25 | 演劇

20日土曜日、午前中は今年初の休日出勤

でもいいの。夕方にごほうびがあるから。
まけないのっ

てなわけで、朧の森に棲む鬼を観てきました。

新感線の舞台は、2005年秋の吉原御免状以来。
気がついたら1年ブランクあいてたなぁ。

写真は、新橋演舞場前にあった大入の酒樽。
お正月らしい、華やかな雰囲気。
すぐ近くの歌舞伎座も同じように、初春を祝っていました。

さて舞台。

今回は、2階席のいちばん後ろだったのだけど、
新橋演舞場の2階席は段差があるので、
全体的には1階席の後ろよりはかえって見やすいかな?
というのが個人的見解。
ただ、上からだと花道が途中からしか見えないのが残念ではあります。

新感線の舞台といえば、まずはオープニング。
舞台上に現れた滝の中から後光がさすようにタイトルが現れる。
吉原御免状でも、アオドクロでも、
この瞬間はつい「こうきたかっ」と声にしてしまう。
今回のオープニングも結構ワタシ好みでした。

さて、市川染五郎演じるライ。
初めての悪役、染ちゃんがどう演じてくれるのか楽しみでした。
徐々に帝位への階段を上っていくところでの悪役ぶりは、
「アオドクロ」の天魔王みたいな感じだなーと思い、
そんなに目新しさを感じなかったのだけど、
阿部サダヲ演じる弟分のキンタに追い詰められて、
初めて「真っ赤な嘘」で固めたライの心の鎧がこわれていく場面からは、
人間の弱さや哀しみをみせてくれました。

従来の新感線では、悪者でも一騎打ちで、
主人公に殺される、という結末が多いのだけど、
今回の主人公ライは、最後に落ち武者狩りに討たれ、
最期まで堕ちていく役どころ。
滝にうたれながら、血まみれになって死んでいくライの姿は、
死にゆきながらなお香りを放つようで。

前半は、悪役である自分にとまどいながら演じてるかな?
という感じもありましたが、後半はさすが!と思わせてくれました。

さてさて、そのライを追い詰めるキンタを演じた阿部サダヲ。

うますぎ。

1幕めではライの後を追っかけるだけで、
(でも十分楽しませてくれました)
存在感がいまひとつかなーと思っていたけど。

後半、ライに裏切られて目をつぶされ、
再度登場したときのキンタの存在なくして、
この芝居はなりたたないでしょう。

どんなに悪事をあばかれても揺らがなかった
ライの心は、
キンタに向けた思いやりが明かされたとき、崩れ始める。

それを伝えるときの阿部サダヲの存在感!

一緒に見ていたダンナに言われて気づいたのだが、
この人は声がきっちり通る。
そしてセリフがきちんと言葉になっている。
すごい役者なんだなぁ目からウロコでした。

欲を言わせてもらえば、前半はちょっとテンポが悪いかな?
・・・お前がいえるかっ!(と自分にツッコミ)

千秋楽前にもう一度観たいなぁ。

ちなみに、古田新太演じる「マダレ」の役名を、
「カルビ」といい間違えるシーンは、いろんなバージョンがあるらしい。
「ヨダレ」「ホタテ」「アダモ」「マイタケ」・・・

これだから新感線はやめられない