堂蓮記<北海道富良野成田山布部不動堂>

毎月の『御心言』と不定期の『祈願講釈』と徒然なるままの箴言・戯言・読書感想等・北の大地の坊主富良野生活記。

〈坂村真民の詩〉

2010-11-01 23:12:47 | 日記
「おむすび」

たきたてのごはんのおむすびのうまさ
ひとつぶひとつぶが ひかりかがやいて
こころやさしいひとのりようてで
かたくもなくやわらかくもなく
うつすらしおけをふくんでにぎられた
おむすびのおいしさ
むすびあうというそのなのよさ

〈高橋新吉の詩〉

2010-11-01 23:02:52 | 日記
「露出」

雀はいつも眠っている
何も考えてはいない
雀が眠っているあいだに
宇宙は半減した

臍の緒のごときもので
雀は宇宙とつながっている

雀が遊泳するところは
羊水の海である

中心は絶である
何のひびきもしない
糸は切れている

彼女はペガサスに乗って
宇宙を一まわりしてきたといった
そこで雀は抜身の剣を持って
一突き突き刺すと
彼女のお尻から太陽がこぼれた

雀は汚れた寝台を月に移動した
群る星雲のカーテンを開いて
雀の見たものは
冷くなった火星の屍であった

敢て露出された生前の記憶を
雀は隠そうとはしなかった

戯れに語る!〈群孤速緩〉

2010-11-01 09:50:49 | 日記
〈戯言・群孤速緩〉

マグロの如く群れ止まらず徃く、カジキの如く唯一匹止まらず徃く、クラゲの如く群れ流れを徃く、マンボウの如く唯一匹流れを徃く、カニの如く群れ岩礁に根付き徃く、ウツボの如く唯一匹岩礁に根付き徃く、成る程、群速孤速群緩孤緩群住孤住と様々居る。