めぐるの日記

めぐるの日記

新津由衣 その20 RYTHEM 20周年ありがとう感謝祭

2024年06月29日 | 新津由衣 Neat's
再始動して、昨年5月に結成20周年を迎えた『RYTHEM』のライブを観てきた。ファースト・コール・ミュージシャン達が、ふたりをしっかりサポートしてくれた素敵なステージだった。ゾクッと感じたのは、荘厳なオルガンで始まり、ふたりを優しく包みながら展開した“ラプンツェル”。そして次の、ふたりの確かなハモりビームが心に深く響き渡った“万華鏡キラキラ”の流れ。“再愛”のグラピ・イントロは再始動を祝福するようだった。ハイライトと感じたのは今日発売された5th album「ウタタビ」に収録された新曲「ハモり鳥」で、これはもうライブ映えが凄すぎた。そして、もう一曲が「僕らのこどもたち」これは、未来にむけた“賛歌”だった。
このステージの副題「新たな物語。これからもてんきゅっ♪」にふさわしい楽曲だった。
今日20周年を見事に締めくくり、これから先もずっとずっと「心を交わせる」素敵な作品を届けてくれるはず、そんな予感を確信した。







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新津由衣 その19 傑作展

2024年05月06日 | 新津由衣 Neat's
ソロではおよそ5年ぶりのライブが、『傑作展』と銘打ってこのゴールデンウィークに行われた。2年前のクリスマスにリリースされたシンガーソングライター(SSW)“新津由衣”名義の最新2ndアルバム『傑作』を中心に、“Neat's”として始まったソロ活動13年間の軌跡を体験できるステージだ。これまでの作品達は、ファンタジーでいながら、壊れてしまいそうな繊細な心情を優しい言葉選びで表現するものが多かったが、新作アルバム『傑作』は、自身のエッセイ的な作品で、よりストレートな表現の歌詞が多く、ちょっと特別なものになってる。とは言えそこは“新津由衣”。独特の“ワールド”は歌詞のかけら、メロディーで健在だ。そしてライブでも、ただ演奏し歌うのではなく、企画の段階から“ひとり妄想会議”フル回転で最高、最上のものをファンに届けようとしてくれる(これはいつものことだけど)。

今回の2DAYSライブは、イベントスペースを美術館に見立て、その中に使用する楽器を点在させ、そこを移動しながら演奏する。観客はヘッドフォンを着け、観客席とステージの垣根のないスペースを、座っても、立ってでも、場所を移動しながらでも、何処で鑑賞してもOKなものだった。もうこれひとつとっただけでも、誰もやったことのない独創的、個性的なライブだってことが分かってもらえると思う。ヘッドフォンを外せば会場に楽器の音は全く聞こえず、彼女の生声“アカペラ”だけが聞こえる。で、それも充分ありだった。
昼夜2公演で行われたことも理由があった。天窓から射し込む自然光を活かした昼公演、照明やスモークで演出される夜公演と会場の造りもフルに利用していた。特に夜公演の深いブルーとイエローの照明は“悲しみ”と“希望”を表現しているかのようだった。

DAY1『Bedroom Orchestra』は、宅録女子のパイオニア“Neat's”の面目躍如、ひとり舞台だ。キーボードは勿論のこと、Eギター、オムニコード、テルミン、ルーパー、バイノーラルマイクを操ってヘッドフォンライブならではのステージを展開する。何せ久しぶりのライブ、これまでの馴染みのある1曲1曲が、感動の渦となって押し寄せてきた。私的にグッときたのは“菜の花”だった。トイピアノで演奏した曲だが、あえてヘッドフォンを外して聴いた。囁くような優しい歌声に、もう自然と涙が溢れてきた。

DAY2は『合奏』で、数多くのアーティストを支えるファースト・コール・ミュージシャンのキーボーディストejiさん、アルバムをプロデュースされた石崎光さんを迎え、『傑作』を再現する日だった。おふたりをこれほど間近で観られるだけでも貴重なステージだ。
演奏を任せたこの日の彼女はパフォーマーになりきり、表情豊かに、自由にのびのびと舞い踊り、会場をところ狭しと移動し、観客ひとりひとりに感情を込め、時に優しく語りかけるように、時に魂を震わせ力強く歌い上げてくれた。SNSで見せてくれる飾らない姿からは想像できないくらい、何かに突き動かされてるかのように、歌とパフォーマンスを繰り広げた。演奏するおふたりの様子も、彼女につられて乗ってきていることがありありとわかった。曲作りの過程で口ずさむ“La La La…”に似た独特の「YUI語」をそのまま作品にしてしまった“IDEA”では、配信で語っていた通り、感情の赴くままに圧倒的な表現で、ワルツのステップを舞った。その姿はとても素敵だった。「YUI語」であるがゆえにこの曲には「日本語」の対訳があって、その歌詞の通り“あたらしいなにかがはじまる”予感を力強く感じた。本当に凄かった。『傑作』ライブのアレンジはどれもスタジオバージョンを超えたと思えるほど感情移入出来た。“芸術家ハピソライ”、“黎明”、“祝祭のアンテニー”、“だからぼくは”、“暴露”など、今回の音源をライブ作品としてぜひ残して欲しい。ライブ作品を音だけで勝負出来るミュージシャンは、日本では彼女しかいないと思う。

こうしてぶっ飛びの驚きと感動の2DAYS、4公演は、あっという間に終わってしまった。
まさに前代未聞、唯一無二の妄想ステージだった。“決まりごとがないから、自由に作品を楽しむことができる”ってことを、今度のコンサートで教えてもらえたような気がする。その場に立ち会え、目撃者になれたことを誇りに感じた。
そして彼女の描く夢の“妄想”暴走は無論のこと、今回この妄想を支えながら理解し、昇華させて形作り、この現実世界に再現してくれた様々な分野の強力なクリエイターの皆さんにも敬意を表したい。新津由衣とNeat'sのクロスロードや、ゆらゆら浮かぶ雲とキラキラな鳥たちの空間は間違いななく“YUIワールド”だった。
みなさん、お疲れさまでした。
本当に素敵なステージを、ありがとう!!


(使用した写真は許可の出たタイミングで写したものです)
新津由衣 2nd アルバム「傑作」
配信はこちらから。

Kessaku by Yui Neats

Album • 2024 • 10 Songs • 40 mins

TuneCore Japan



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新津由衣 その18 Official Fanclub “ゆいのアトリエ”イベント

2024年01月21日 | 新津由衣 Neat's
「アトリエ新年会」が開かれた。
今回も心のこもった、おもてなしいっぱいのイベントだった。
完コピ(キラキラなフレーズはもしかしたらオム二コードかな)YUIコーラスカバーの“あの”ジングルで始まる“ゆいこの部屋”。対談されたアトリエメイトさん達のお話が“ゆい愛”に溢れていた。数字の“2”から拡げた感じ方はどれも頷けるものがあった。“向き合う”や“対”の関係はやはり安心感があるし、“8”で言えば無限な“∞”を思い起こし、可能性が広がる感じがする。奥の深いものだった。得意の料理のお話では“いつか”と、ことわりつきではあったが“レシピ本”やってみようかなって。これは楽しそう。ありふれたものではなく例えば、料理と食材・手順だけ“YUIイラスト”で描いて、味付けや分量等はアトリメイト任せにしてしまう「絵本料理本」なんてどうかな。
それにしてもこの“ゆいこの部屋”、メチャ緊張しますよね。“アトリエの休日”の時、口の中渇いたかわいた。次からは、彼の人のように“飴ちゃん”用意しておいて~。

続いては、
“傑作コースター作りワークショップ”
やっぱりこれハードル高かった。
同じテーブルの皆さんが、デザインを工夫し、絵の具を重ねているのを横目で見ながら…写生大会をぬり絵大会にしてしまう腕前発揮(空は青、太陽は赤、芝は緑)。「下書きまではよかったのに、色塗るとこうなんだ」って“担任の先生”に言われたトラウマ再び。でも、久しぶりの絵筆とっても楽しかった。塗っている時と乾いた後の色が全く変わってしまうことに気づく。画材によって絵の具の染みかたって変わるんですね。これは“ゆい先生”の貴重な教えでした。

そして、“生歌”コーナー。
“アトリエの休日”で、メイトさん達の歌詞のかけらを元に作られた「クオリア」をフルサイズにし、キーボード一台の生歌で披露してくれた。目を閉じて、優しさに溢れた歌声に浸った。歌い終わると、この先開かれるであろう“傑作”ライブに向けて、「DanDunByaaan!」の振り付け練習へ。“由衣ちゃん”おしりもふりふりで舞う舞う。なんて楽しいんだろう。ライブまでに練習できるように“振り付け動画”作ってね。

そして、このイベントのために準備してくれた「クオリア~YUI fulldemo~CD&ZINE」のお渡し会。

オフィシャル・リリース?を前に、限定で作られた“fulldemo CD”はピクチャーディスク仕様でセンスありすぎ。20頁の“ZINE”には、受けとるその先のことまで思いを馳せてもの作りをする“新津由衣”がいっぱい詰まっていた。
最後に精一杯の勇気を出して“お二人とも(妹の、のんちゃんと)風邪ひかないようにねっ”て声かけをして会場をあとにした。

楽しい「アトリエ新年会」に誘ってくれてありがとう“ゆいチャン”

会場限定販売の「おまもりん~手書きミニレターとYUIチョコ付き~」も“D.I.Yのゆい”ならではの可愛らしさ。さぁこのチョコ、メイトの皆さんはどうする?


「傑作」ライブやこうした限定イベントに参加するためには“ゆいのアトリエ”に入会するしかないですよ。


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新津由衣 その17 わたしとわたしのクリスマス

2023年12月05日 | 新津由衣 Neat's
師走最初の日曜日、とっても素敵なライブを観てきた。
タイナカ彩智と新津由衣のユニット「わたしとわたし」だ。前回行けなかった8年ぶりのステージ、刺繍ワッペンのついたNeat'sパーカー着て参戦した。
ステージには二人の楽器とグラピだけ。
うたと鍵盤だけの演奏は、礼拝堂をまるで暖炉のある部屋の中にいるような空間に変えていった。
二人の優しい歌声が温かく響く。
メロトロン音源のフルートやストリングスが、どこか懐かしい世界に連れていってくれた。
グラピ連弾コーナーで、背中合せになって彩智さんが歌ってくれた“0”が素敵すぎた。はじめましてな曲がいっぱいだったけど。最後までとても温かな気持ちになれた。
6曲およそ20分収録の「demo ♯1.5 -Remastered-」
モノトーンにまとめられたなか、さりげなくプリントされた『ストップ・ポーズ・再生』のカラー・ピクトグラム。
“CDプレーヤーで聴いてね”って言われているような気がして、その通りにして聴いてる。
不定期でいいので、またライブを演ってほしいし、大人の事情を乗り越えてスタジオ・アルバムも是非作ってほしいなぁ!!










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新津由衣 その16 アトリエの休日vol.1

2023年08月19日 | 新津由衣 Neat's
即興曲作りとレコーディング見学、トーク&お誕生日会の二部構成でファンクラブ限定イベントが開かれた。


まずは第一部アトリエ・クリエ。
さすが宅録女子のパイオニアだけあって、キーボードとPCをサクサクと操っていく“先生”!(現在、大学で教鞭をとってるのであえて)
事前に募集した『歌詞のカケラ』を、“生徒”(私達参加メンバー)が決めた曲のイメージに合わせて『詞』へと形づくる。ひとつの『カケラ』だけで、あっという間にイメージを膨らませていく。自然とカラダが揺れだし、脳内会議で創られていく様はとても創造豊かだ。しかも同時にメロディーまでも生まれてきてる。『カケラ』の字数や語呂の抑揚とメロディーの糸が突然紡ぎ始まる。ただただ驚きでしかなかった。目を閉じて“先生”の呟きに聞き入ってしまった。音楽家の理論・知識と、アーティスト“新津由衣”の創作舞台が繰り広げられた。
テンポを決めて始まる『レコーディング』も解説を交えながら分かりやすく教えてくれた。“くるみ割り人形”みたいなって楽器の選択を表現したり、音色名からの閃きでツール内臓の音源を試したりと、ここでも驚きと納得の連続だ。『歌を録音する時と、お料理する時の集中は半端ない』と“先生”が自ら話しながら“うた”を重ねていく。よく通る生の歌声が心地いい。こうしておよそ2時間で素敵なデモが出来上がる。しかもこの音源をQRコードでプレゼントしてくれた。“先生”の創作アトリエを体験出来きる貴重な時間をすごせた。


そして、第二部アトリエ・カフェ“トーク&お誕生日会”。
出席“生徒”全員にプレゼントがあった。主役のはずの“先生”から、手作り感いっぱいの心暖まる“お・も・て・な・し”を受けた。
トーク“ゆい子の部屋”では、アルバム『傑作』を表現するアイディア・想いを熱く自身の言葉で語ってくれた。その眼差しはホントにキラキラ輝いていた。決して容易なことではないけど、いつの日か納得できるものを創って披露してほしい。“生徒”のみんなもそう願っているのでは。もうひとつ、Neat's『MOA』への想いも聞かせてくれた。大胆なリメイク、こちらもかたちにしてほしいな。『BEDROOM ORCHESTRA Ⅱ』の絵本は図書館の書架に加えてほしい一冊だ。

最後に『傑作』から一曲“創作”の弾き語りが初披露され、『アトリエの休日』は終演となった。
とても充実した、新津由衣にしか出来ない素敵なファンクラブ・イベントだった。

“新津由衣は歌と笑顔を届けてくれる優しいアーティストだ”



余談だが、時間のある時にプレイボタンを聴くようにしている。仕方のないことだけど、経年で蓄電力が低下することが考えられるからだ。お持ちの方、時々使って、取説に従って充電する事をお勧めします。



(敬称略)




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新津由衣 その15 今あらためて"Neat's"

2023年06月18日 | 新津由衣 Neat's
ちょうど10年前、彼女は“Bedroom Orchestra”のプロジェクトをスタートさせていた。

“Modern Times”ツアーを終えた頃だった。何故今“Neat's”かと言えば、先のRYTHEM20周年ベスト“RYTHEMの世界”のブックレットを読んだからだ。“RYTHEM”の活動を封印し、ソロアルバムを2作リリースした。でも、自分の感覚や溢れ出てきたものを作品にする時、外からの見え方まで考えてしまい、自身を制御していたと振り返っていた。不本意にソロとなった一端等、ホントに言葉にならない。ならばこの“Bedroom Orchestra”は、ソロ作品の“Naked”ですっ!!てことだったのかなとも思ってしまう。知るよしもないことだけど…。今また“Fog”の中に放り出されてしまった。現在彼女は、さらなる『傑作』ワールドを作っているようだ。待ち遠しく楽しみでならない。良い意味で“新津由衣”沼から抜け出すことは無理なようだ。


(敬称略)
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新津由衣 その14 RYTHEM デビュー20周年記念ライブ

2023年05月27日 | 新津由衣 Neat's
再始動したRYTHEMがZepp DiverCityでライブを行った。昨年の“ハモり図鑑”に始まり、“東名阪トライアングルツアー”、“ふたりツアー”と、まさに“ロードオブザリズム”を経て今回の“デビュー20周年記念”を迎えた。ふたりのハモりは回を重ねて輝きを増し、癒しと感動を届けてくれた。今日は泣かないぞと思っていたが、“無題”を歌う前だったか?Yukaが極まった感情を抑えようとして、ちょっと手を胸に当てて深呼吸した瞬間を見てやっぱり涙腺崩壊した。ふたりがこの日をどれだけの思いで待ち望んでいたことか、それを想像しただけで胸がいっぱいになった。もちろん涙を誘うだけではなかった。無敵のYuiトークがファンを大いに笑顔にさせた。来春~夏頃のライブ予告、このステージの円盤化をさりげに投下して、あっという間に終演となった。その晩は余韻を噛み締めて休んだ。さて、記念ライブと同時に、記念ベストアルバムもリリースされた。特別だったのはやはりブックレットだった。「10万字だけどさらっと読める」なんて言っていたけど、とんでもない!今まで知ることのできなかった内容ばかりで、簡単に先に進めなかった。ふたりの深い絆、それぞれの内心、揺れる気持ちが、“これでもかっ”と無防備な自分に繰り返し押し寄せてきた。それは想像を遥かに越えた内容だった。デビューしてからの葛藤、解散、図らずもそれぞれの道を進むことに、そして再始動へと。その全ての事象は、決して断片だけを切り取って周りが簡単に語ってはいけない、そんな気持ちにさえさせられたかのよう。全ての出来事は絡みながらも、しっかりと繋がり続けていた。これを読んで、Yuiがステージで話していた“真空パック”や、blogで綴った超長文“わたしの革命”等がスッと腑に落ちた。マルセル・マルソーの絵本がYuiにとって表現者としてのバイブルだっように、このブックレットはRYTHEMを知るためのバイブルとなった。当分は記念ライブの余韻に浸りそうだ。

(敬称略)
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新津由衣 その13 RYTHEMふたりツアー

2023年03月13日 | 新津由衣 Neat's
“RYTHEMふたりツアー”初日の川崎公演に行った。ふたりのハモりと楽器だけのシンプルなステージで、安定のアットホームさがひろがった。空白の期間を感じさせない息の合った歌声を届けてくれた。暴走トークも許されてしまう温かな空気が会場に溢れた。ツアー完走を願うばかりだ。5月のZepp、ベストアルバムが待ち遠しい。これからシリーズ化されるのか?グッズに“リズム茶”が加わった。このパッケージのイラストが可愛すぎる。由衣さんがこれまでアトリエなどで公開した作品達を、シリアルナンバー入りのリトグラフみたいにして、グッズにして欲しいなぁ~絶対コンプリートしてみたくなる!

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新津由衣 その12 『傑作会』

2023年02月13日 | 新津由衣 Neat's
新津由衣2ndアルバム『傑作』を高音質試聴するイベント『傑作会』に参加した。普段は生活音が溢れる空間の中、スピーカーで音楽を聴いている。この試聴で良かったのは、由衣さんのピアノが打楽器のような迫力と臨場感で聴けたことだ。プロデューサー石崎光さんとのアフター・トークでは、制作過程を垣間見れた。今回の『傑作』を手にしたとき、音を聴く前に歌詞カードをじっくり読んだ。今までになく“はっ”とする表現・描写が多いと感じていたが、曲を聴いてこれが今の彼女のありのままのエッセイなのだと実感出来た。ハイライトは、やはり生うたミニライブだ。マイクを介さずに聞けた“語り歌”、「だからぼくは」と「IDEA」の生声は潤いがあってしなやかだった。どこか懐かしい学校の音楽室の響きを思い出した。同時に彼女は小さな会場の中を、自由に自然に舞っていた。時に“タップ”を踏みながら、それはまるでパントマイムを演じるかのように。“華麗に素敵な”しか言葉が見つからない。
そして、用紙やレイアウトまでもが個性溢れる手書きの歌詞カードとミニブック『Kessaku Times』のプレゼントは嬉しすぎ。新津由衣とRYTHEMの新津由衣は、両方ともひとりの同じ新津由衣で、別けて活動してるつもりではいないとのこと。いつか妄想が膨らみ、イメージが出来上がって、ソロ・ツアーが発表されるまで、この先も“ゆい”時間をゆっくり待つことにしよう。新作リリースしました、プロモーション・ツアーやりますなんて、簡単にしない彼女のスタンスがほんとにいい

終演後、メンテナンスや維持がたいへんそうな、産業機械遺産級のキーボード“Chamberlin”のことを、石崎さんに伺った。現存しているだけでも奇跡的なこの楽器。入手した経緯や、『傑作』ではいたるところで使用されていると話してくださった。メロトロン同様、コードを弾こうものなら負荷がかかって揺らいでしまったりするような曲者を惜しげもなく使うなんて。しかもテープは当時のままのオリジナルとのこと。驚きでしかない。制作現場を見てみたくなる。和声コーラスやストリングス、フルートといった、ビートルズやイエス、キング・クリムゾン、ジェネシスのような王道の音使いでないとすると、『傑作』ではどの曲でどんな音が使われたのか?謎が深まってしまった。

ともかく、今回の『傑作会』はとても楽しいイベントだった。

なんと、ジェリー・ルイスが“Chamberlin”のデモ演奏をする動画です。

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新津由衣 その11 RYTHEMトライアングルツアー そして「傑作」

2022年12月26日 | 新津由衣 Neat's
終始涙腺崩壊。ここまで作り込まれたステージが準備されていたとは、感激した~。ふたりの深い思いが伝わってきた。お話しするように歌ってくれた。最後のゆるゆるトークで、夢の時間から引き返せた。「RYTHEM」のこれからに目が離せなくなった。そして、待ちに待った新津由衣2ndアルバム「傑作」もやっと来てくれた。なんといっても今回は「帯」!彼女のアルバムで帯にこんなキャッチコピーって始めてじゃないかな。聴く前から想像を掻き立てられる。
レコードに針を落とすと、テーマが示され、“オペラ座の夜”が始まった。組曲のようにストーリーが進んでいく。葛藤や苦悩、希望や願いが、今の彼女の言葉で綴られていく。自身だけでなく、周囲への気遣いにも溢れている。日本語訳が付いていて助かった。これで歩みを進めることができる。そして彼女の旅はこれからも続いていく。アトリエで目撃できた断片がこうして作品として届いた。1日も早く「傑作」再現ツアーを期待したいところだが、まっ、これはまた待つしかないなっ!!



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