めぐるの日記

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新津由衣 その12 『傑作会』

2023年02月13日 | 新津由衣 Neat's
新津由衣2ndアルバム『傑作』を高音質試聴するイベント『傑作会』に参加した。普段は生活音が溢れる空間の中、スピーカーで音楽を聴いている。この試聴で良かったのは、由衣さんのピアノが打楽器のような迫力と臨場感で聴けたことだ。プロデューサー石崎光さんとのアフター・トークでは、制作過程を垣間見れた。今回の『傑作』を手にしたとき、音を聴く前に歌詞カードをじっくり読んだ。今までになく“はっ”とする表現・描写が多いと感じていたが、曲を聴いてこれが今の彼女のありのままのエッセイなのだと実感出来た。ハイライトは、やはり生うたミニライブだ。マイクを介さずに聞けた“語り歌”、「だからぼくは」と「IDEA」の生声は潤いがあってしなやかだった。どこか懐かしい学校の音楽室の響きを思い出した。同時に彼女は小さな会場の中を、自由に自然に舞っていた。時に“タップ”を踏みながら、それはまるでパントマイムを演じるかのように。“華麗に素敵な”しか言葉が見つからない。
そして、用紙やレイアウトまでもが個性溢れる手書きの歌詞カードとミニブック『Kessaku Times』のプレゼントは嬉しすぎ。新津由衣とRYTHEMの新津由衣は、両方ともひとりの同じ新津由衣で、別けて活動してるつもりではいないとのこと。いつか妄想が膨らみ、イメージが出来上がって、ソロ・ツアーが発表されるまで、この先も“ゆい”時間をゆっくり待つことにしよう。新作リリースしました、プロモーション・ツアーやりますなんて、簡単にしない彼女のスタンスがほんとにいい

終演後、メンテナンスや維持がたいへんそうな、産業機械遺産級のキーボード“Chamberlin”のことを、石崎さんに伺った。現存しているだけでも奇跡的なこの楽器。入手した経緯や、『傑作』ではいたるところで使用されていると話してくださった。メロトロン同様、コードを弾こうものなら負荷がかかって揺らいでしまったりするような曲者を惜しげもなく使うなんて。しかもテープは当時のままのオリジナルとのこと。驚きでしかない。制作現場を見てみたくなる。和声コーラスやストリングス、フルートといった、ビートルズやイエス、キング・クリムゾン、ジェネシスのような王道の音使いでないとすると、『傑作』ではどの曲でどんな音が使われたのか?謎が深まってしまった。

ともかく、今回の『傑作会』はとても楽しいイベントだった。

なんと、ジェリー・ルイスが“Chamberlin”のデモ演奏をする動画です。

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