2011年5月22日-2
美術修行2011年5月21日(土)
アートフェア京都2011/モントレホテル京都4階と5階/入場料2,000円。
昨年とくらべて浴室も使ったのは少なくなったように思う。
「絵の美しさは絵具の美しさ」と捉え、内海聖史氏は意識的に色々と実験的に製作しているようだ。
「絵画をどのように見せるかということと絵画自体をどうするかということ、さらに絵画のある空間に身体がどのように入っていくかということをおもに考えています。」
http://www.ottr.cc/con_tempo/archive/july/making_1.html
とある。
田中真吾氏作品。火(燃焼)を使った製作。たとえば一辺16cmの正立方体の側面を横に焼いている作品は、ほどよい火入れで、また、紙の焼きめくれ具合が楽しめる。
http://www.studio90.info/tanaka.htm
http://www.andart.jp/artist/tanaka_shingo/
崔石鎬(チェソクホ)氏作品は、木製の球と枝の組み合わせ。小さい場合は画布にビス留めにすることもできて、回して位置を変えることもできる。
「大野俶嵩/J.フォートリエの世界を視る」プレ・オープニング展/GALLERY KAJIKAWA C.A.O.。
大森啓個展/ギャラリーヒルゲート。
具象の変形カンヴァス(正しくは板パネル)。
森本紀久子展/アートスペース虹。
http://www.kyotodeasobo.com/art/art_gallery/artspace-niji/morimoto-kikuko/
中国で出土した太陽神らしいものが沢山描かれているが、(印判でもなく、孔版でもなく)手描きとのこと。
クボタケシ展 Kubo Takeshi Exhibition 2011/ギャラリー モーニング。
http://gallerymorningkyoto.com/2011Exhibition/kubotakeshi2011.html
印刷物に「現れ出た真新しい表層」とある。石との会話。
表面と立体との間に、厚い層を重ねたものを想定できるかもしれない。そうして、発想を繋げることができるか。
描くこと。表面でもってなんらかの物体に似せること。そのような、似せることをしないこと。
物体として提示するとは、どういうことか。
造形作業の方向性。発想または考え方の方向性の違い。製作方向。
「まぶたのうらの ゆめの町」薮内彩歌/ギャラリー はねうさぎ。
http://www.haneusa.com/top.html
中村治彦 はるさんの思考展 PART 1/galerie 16。
http://park21.wakwak.com/~art16/exhibition/exhibition.html
PART 1はこの世の心象風景とのこと。実に様々な展示物。物体による思考表現でもあるのか。
京都国立近代美術館は午後五時を過ぎていたので閉まっていた。
石川道子特別講演会会場である京都会館第一ホールでの
http://sharejapan.org/bcworks/im/works.html
にて、Benjamin Creme「曼荼羅絵画」2008.5第3刷増補改訂版を買った。
http://www.siriusart.org/index.html
「Art, all painting, is a convention. The painter does not deal with flesh and blood, sinew and bones. He works with forms and colours, usually on a flat surface, and creates an artificial thing, either a sign or a symbol.」
http://www.siriusart.org/litho-Ben.html
「芸術、すべての絵画は、約束事である。〔略〕画家は、通常は平らな表面に、形と色で仕事をして〔形と色を扱い〕、人工物、つまり記号〔?、sign 標徴〕または象徴〔?、symbol 記号〕を創造する。」
記号論を勉強しなければ。
しかし、signやsymbolとして捉えないで絵画を絵具そのものないしは絵具の配列として味わうことはありだろう。なんらかの(幻影的)表現または代替物、あるいは指示するものという役割を与えないで、色とその配置(つまり形態)を楽しむ。
画家は対象とされた具体的物体ではなく、絵具を取り扱っている。では、絵具が絵画の(少なくとも物質構成的上の)本質である。ならば、絵具が発する性質を受け取ろう。つまり、色と色によって輪郭づけられたりして認識されるかもしれない形。そしてそれらの配置。
もちろん、それらの上に具体物を描くまたは指示するものとして重ね観ることは可能である。ただしその場合、その指示されるものは少なくとも幾分かは概念的に捉えられているだろう。するとそれは美的には夾雑的に働くかもしれない。明白化または純化するならば、非具象ということになる。さらに、出発点として抽象を取れば、どのような探求が可能なのか。
北の方へと。道路を疎水側にわたって振り返ると、大きな絵が見えた。戻ると、Gallery Art Projectというのがあった。後でちらしを見ると、Art Projectではなかった。Ort Projectで、「Ortは、「場」を意味しています。大学やジャンルの枠を越えて学生が集まり、そんな疑問について「真剣に感じ・考え・実験できる場」を学生自らが企画し運営します」とのこと。
学生支援アートオークション「Art Auction STORY…vol.2」/関西日仏学館。
http://storyhome.jp/top.html
http://www.holbein-artistnavi.com/artnews/koubo/art/8756.htm
アートオークションの登場人物は、作品だけではなく、作家とあなたも、だとある。
この催しは、アートフェア京都の会場廊下の張り紙で知った。
カフェに作品が並べられていて、前もって見ることができる。そこで、作者と話すこともできる。18点のうち、抽象(的)絵画は「Ophelia」の一つだけのようだ。
テラスのパラソルの下に位置する椅子に座って、ロゼとテリーヌで夕食。さすがフランス。
18:58、(おそらくホテルモントレからの)マイクロバスが到着。
19:29、11行7列の77席は満席。周囲に立っている人(30人以上)やカフェのほうにいる人もいる。
オークション進行の説明。卓球のラケットのような形の、番号札をパドルと呼んでいる。少なくとも217番が発行されている。
作者は現物のそばに立って、一分間ほどの説明をする。落札にかかる時間も一分間ほどであった。
最高落札額の作品は、藤本絢子氏の「Ophelia」。金魚というから、昨年サントリー・ミュージアムで大きな作品数点などが展示されていたのを思い出した。それらは白地に黒と赤の抽象絵画に見えたが、題名が金魚で、よく見ると目玉が描かれていた。しかし色構成は同様だが、図柄が異なる。オークション終了後に尋ねると、同一作者だった。
[C]
Creme, Benjamin[ベンジャミン・クレーム]. 2008.5.The esoteric art of Benjamin Creme 曼荼羅絵画[第3刷増補改訂版].60pp.宇野書店、草津.[y500] [B20110521]