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生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

歴史という構築体

2010年03月19日 18時20分03秒 | 生命生物生活哲学
2010年3月19日-3
歴史という構築体

 歴史とは、われわれが概念的に作ったあるいは客観的に生起したものとみなして取り上げた(あるいは取り上げない)出来事(事象)の収集体である。通常、時間的順序が設定され、またなんらかの結合関係が設定される。よって、順序関係をもつ諸出来事というのが、構築された歴史の第一性質である(というより、定義ネ)。
 われわれは有限の存在者であるから、無限個数の対象を扱うのは想像力によるほかない。想像力によって扱えているとみなすことはできるが、保証は無い。しかし、出来事によって、いわば時間軸(時間はわれわれの構築体であって、時間は実在しない。もっとも、実在感覚または現実感は、主体の意識の焦点が合っている存在界に相対的であるから、より実在的realisticという述語は設定してもよい。むろんまた、精度に依存する)を設定するのは、一人以上の人である。というより、或る理論なりが、実践に役立てばよい。(こうやって、どんどん基底方向にも枝葉方向にも繋がって、記述は逸脱する。)
 したがって、十全な歴史なるものは記述できない(また、Danto 1985、ダント 1965, 1966を見よ)。したがってまた、生物について構築される『系統』はどの階級のタクソンの精度であろうと、構築体であるので、多くは怪しげな内部整合性が主張され、そしてときたま外部整合性(たとえば化石で観測される形質との照合)が(つねに不十分に)試されるだけで、言いたい放題である。同時分類(の結果)があるばかり。

 1. 歴史は、一つ以上(通常は二つ以上)の出来事(事象 events)によって、構成される。

[D]
Danto, Arthur C. 1985. Narration and Knowledge (including the integral text of Analytical Philosophy of History). xvii+399pp. [ISBN 9780231061179 / $ 21.00〕.

ダント,アーサー・C.1965, 1966.(河本英夫訳 1989.2)物語としての歴史:歴史の分析哲学.390pp.国文社.[ISBN 9784772001724 / 4,200円+税].〔Danto, Arthur C. 1965. Analytical Philosophy of History. と、1966の論文"〔Symposium: Historical Understanding〕The problem of other periods", The Journal of Philosophy, 63: 566-572. の訳。〕.