2010年4月8日-2
抽象絵画の地平
抽象絵画と音楽
さて、抽象絵画は何か概念的なものを伝達するわけではないだろう。概念芸術conceptual artも、伝達ではなく、表現であろう。言語の通常的使用は、自分の思考内容や感情状態を相手に伝達する目的がある。しかし、芸術的表現は指示対象や意味を伝達するよりも、そこに現出するところに意義がある。この位置づけからは、小説や詩は言語によるものなので、言語による汚染を免れないような、一方の極である。記号を、象徴的あるいは図像的に使う場合は、少し離れることができる。抽象絵画と音楽は、遠く離れたもう一方の極である。純粋な現出である。
存在者を現出させる、直知する
たとえば音楽は、音(空気や木や鉄といった物の振動エネルギー)によって空間を彫刻している。概念を介さずに、感性で直接に受け取ること、つまり直覚すること。人は感性を(様々な種類と程度に)働かせ、磨くことができる。作品についての言語的説明は、あくまで直感または直覚への補助的なものである。(真理は、直観される。)
本質的なもの(と思うもの。この点では認識)を、外的世界や内的世界や異界から抽出し、創造して、何かを表わすのではなく、何かを現出させるのである。
すべて存在するものは、説明不要なものとして存在している。まずは、<それを直感せよ>。さらには、直観し、直知せよ。
抽象絵画の地平
抽象絵画と音楽
さて、抽象絵画は何か概念的なものを伝達するわけではないだろう。概念芸術conceptual artも、伝達ではなく、表現であろう。言語の通常的使用は、自分の思考内容や感情状態を相手に伝達する目的がある。しかし、芸術的表現は指示対象や意味を伝達するよりも、そこに現出するところに意義がある。この位置づけからは、小説や詩は言語によるものなので、言語による汚染を免れないような、一方の極である。記号を、象徴的あるいは図像的に使う場合は、少し離れることができる。抽象絵画と音楽は、遠く離れたもう一方の極である。純粋な現出である。
存在者を現出させる、直知する
たとえば音楽は、音(空気や木や鉄といった物の振動エネルギー)によって空間を彫刻している。概念を介さずに、感性で直接に受け取ること、つまり直覚すること。人は感性を(様々な種類と程度に)働かせ、磨くことができる。作品についての言語的説明は、あくまで直感または直覚への補助的なものである。(真理は、直観される。)
本質的なもの(と思うもの。この点では認識)を、外的世界や内的世界や異界から抽出し、創造して、何かを表わすのではなく、何かを現出させるのである。
すべて存在するものは、説明不要なものとして存在している。まずは、<それを直感せよ>。さらには、直観し、直知せよ。