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学問修行2017年8月20日(日):読書録 野村泰紀 2017/7 マルチバース宇宙論入門

2017年08月20日 17時57分01秒 | 学問修行
2017年8月20日(日)-1
学問修行2017年8月20日(日):読書録 野村泰紀 2017/7 マルチバース宇宙論入門

野村泰紀.2017/7/25.マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか.190pp.[本体920円(税別)][B20170818、993円][Rh20170820]


  インフレーション
  ↓
  ビッグバン
  (膨張宇宙)

 多宇宙[マルチバース]宇宙論で、「人間原理」を説明する。
 誤解を解く。
 数式は使わないが、専門家にも検討できるように()で述べている。
 素粒子の標準模型と量子力学を接合した。
 無限発散を、解決する。かつて、繰り込みで解決した。



90頁に、カラビ−ヤウ多様体の図あり。

 
引用1。174頁。
  「インフレーションが全く起こらなかったり、その期間が短すぎるような宇宙(正確には曲率が大きすぎるような宇宙)では、銀河や星、ひいては生命などの構造が生まれないことを示すことができる。つまり、もしある雨中に生じた知的生命体がその宇宙を観測したとすると、常にインフレーションが起こったようなおうちを見ることになる。しかし、そのインフレーションの期間は生命が生じるのに必要な以上には長くなかったと考えるのが自然である。なぜなら、そのような長いインフレーションが起こる確率は小さいと考えられるからである。そしてこれは、将来雨中の曲率を観測する可能性があることを意味する。」
(野村泰紀 2017/7。マルチバース宇宙論入門、174頁)。

問題点。
 ・「ひいては生命などの構造」とは、銀河や星ができたから、生命も出現したという意味だろうか?。この本では、生命を定義していない。
 ・「生命体」または有機体という語で、生きている物質体を指すとすると、それは生命がまとうまたは構築する物質体の構造()のことである。生命そのものではない。
 ・生命体が暗黒物質だけから成る場合は無いのだろうか?
 ・生命体が暗黒エネルギーだけから成る場合は無いのだろうか?
 ・生命体が暗黒エネルギーと暗黒物質だけから成る場合は無いのだろうか?
 ・われわれが観察できる生命体、たとえば有機体 organism が、通常物質と暗黒物質から成る場合も、考えてみようではないか?
   →生物にみられる機能の機構的説明へ。


引用2。176頁。
  「将来の観測で宇宙の曲率が見つかったならば、それは量子的マルチバースの描像〔略〕を示唆することがわかる。(〔略〕曲率が見つからなかった場合は、その結果だけからはどちらの描像が示唆されると言うことはできない)。」
(野村泰紀 2017/7。マルチバース宇宙論入門、174頁)。


引用3。177頁。
  「時間とは何か、そしてそれはどのようにして生じるのだろうか? 量子的マルチバースの描像は、〔略〕それを探求する枠組みは与えてくれる。
〔略〕
私自身はマルチバース全体の状態がある数学的条件〔略〕で一意的に決まる可能性を議論した。そこでは、マルチバースの状態は実は時間発展などしておらず、我々マルチバースの一部である観測者が時間と感じるものは異なる物体〔略〕の間の相関として、我々の宇宙(や他の多くの宇宙)の中の性質として「近似的に」現れるという描像が得られた。」
(野村泰紀 2017/7。マルチバース宇宙論入門、177頁)。