2012年2月18日-1
この世界についての試論1
0. 物体だけが、この世界、つまりわれわれが意識している世界、を構成する[唯物論的仮定]。
composition (this world) : (material) things
1. 時間は、実在する物体ではない。われわれの意識(とそれに繋がる心的システム)による構築体である。
The time is one of our constructs, not a real things.
2. 空間もまた、われわれによる構築体である。時間と空間という概念の枠組みによって、われわれは観測し測定する。
3. したがって、ものごとは相対的である。
4. したがってまた、対象の実在性の種類と程度も相対的である。認識者の観測システムとその諸前提に、観測結果は依存する。しかしおそらく幸いなことに、人々の間での認識上の共通性があるゆえに、間主観性的客観性(厳密には共通性)は存在し得る。たとえば、推論妥当性について合意できたり、物体の存在や物体の性質について、(場合によっては、一定の訓練を受け入れた(つまり自己洗脳したりした)結果として)合意できたりする。
[たとえば暗黒物質(「暗黒」という言葉は不明という意味からのようであるが、その性質からすれば光物質と呼ぶべきだろう)という種類に属する物体が、われわれの身体の構成物であるならば、放射能の正体というものも再考せざるを得ないだろう。これは生物体の機能と関係するかもしれない。機能を、物体システム間相互作用として捉える場合、暗黒物質の振る舞いによって説明できるかもしれない。対象の構成を明らかにすることは、システム的接近 systemic approachの第一歩であるが、宇宙のおよそ96%が正体不明であることは、物質的説明としては、(分布が一様的だとして)地球や人体システムの構成物の約96%を見落としている、あるいは隠れたままということになる(ただし、作用としてはほとんど無関係ということはあり得る)。現在の科学的観測装置によっては不明の存在者が、(質量で測って)大部分なのである。]
[実在性の程度や、たとえば超光速が観測されるかどうかもまた、観測者(そしてまた何によって測定するか)システムに相対的である。]
5. 対象の存在や(観測される)諸性質を説明する場合、とりわけシステムとして説明する場合は、その部分を構成する諸物体システム、つまり下位システム間の関係、つまり構造を明らかにすることが要〔かなめ〕である。むしろ、下位システム間の諸関係を、構造と呼ぶことにする。
これはむろん、対象についてなんらかの抽象と捨象をして、一定範囲のことがら(だけ)を問題にすることになる。われわれの認識は限定的である。(対象についての直観 intuitionということがあり得るとすれば、それは(作用的に)非限定的かもしれない。)
システムの構成、構造、そして環境(システムの様々な種類と程度の作動諸条件と捉えることができる。
6. 環境とはつねに、ある主体にとっての環境である。主体を特定して、その環境を特定できる。
環境を、環境諸要因 environmental factorsまたは諸条件 consitionsの総体 totalityだと分析してもよい。また、環境とは、或るシステムの様々な種類と程度の作動諸条件と捉えることができる。[環境 environment]
7. なんらかの理論を構築したり、言明を一般化するためには、対象とするシステムの分類が先立つ。われわれの概念的営為に関する限りは、役立つ分類体系が要である。[分類 classification]
様々の存在者または対象を、分類することは、物理的タクソン taxonや生物的タクソンを設けることが便利である。これらのカテゴリーは、われわれの構築体である。同定カテゴリーであるためには、一定であることが必要である。
8. しかし命名者が或るタクソンを設定する際には、人々間での交信の都合もあって、或るタクソンに属する物体(生物体を含む)について観測される諸性質で定められる[タクソンの定義]〔これを定義と呼ぶことには、実は大きな問題がある。たとえば生物体を、それがどの種類に属するかを決定する、つまり同定[属員性 membershipという、分類カテゴリーと物体との関係性の決定]する場合は、瞬間的なまたは静的諸性質によっている。しかし、生物体の場合は、それらは現象的側面であり、本質的規定であるとは限らない。このことは種システムの問題(の理解)と関わるので、後述する。〕。
9. このようにタクソン的分類をすれば、対象は様々な種類に属する諸物体ということになる。そうすると、諸物体の振る舞いを、タクソン的存在者たちの間の相互作用として捉えることができよう。
10. ではまず、或る物体システムの境界または他の物体システムとの接面 interfaceの決定という問題である。人体の場合は、皮膚面で画定できる。ただし微細に見れば、微細な穴、たとえば汗腺が開いていたり、たとえば消化器系の口のように、開いたり閉じたりする(栄養摂取での物体の運動場所としては、また発生的にはと言ってよいのか、口から肛門までの管は、システム外部である。ただし毒物が通過すれば、そのシステムに『感受性』に応じて作用する(むしろ様々な空間規模と制御水準での物体間相互作用)。
皮膚面という認識は、人の眼(正しくは視覚システム)の空間分解能(と時間分解能)に依存している。したがって、空間尺度 spatial scale においても、観測されるものごとは相対的である。
この世界についての試論1
0. 物体だけが、この世界、つまりわれわれが意識している世界、を構成する[唯物論的仮定]。
composition (this world) : (material) things
1. 時間は、実在する物体ではない。われわれの意識(とそれに繋がる心的システム)による構築体である。
The time is one of our constructs, not a real things.
2. 空間もまた、われわれによる構築体である。時間と空間という概念の枠組みによって、われわれは観測し測定する。
3. したがって、ものごとは相対的である。
4. したがってまた、対象の実在性の種類と程度も相対的である。認識者の観測システムとその諸前提に、観測結果は依存する。しかしおそらく幸いなことに、人々の間での認識上の共通性があるゆえに、間主観性的客観性(厳密には共通性)は存在し得る。たとえば、推論妥当性について合意できたり、物体の存在や物体の性質について、(場合によっては、一定の訓練を受け入れた(つまり自己洗脳したりした)結果として)合意できたりする。
[たとえば暗黒物質(「暗黒」という言葉は不明という意味からのようであるが、その性質からすれば光物質と呼ぶべきだろう)という種類に属する物体が、われわれの身体の構成物であるならば、放射能の正体というものも再考せざるを得ないだろう。これは生物体の機能と関係するかもしれない。機能を、物体システム間相互作用として捉える場合、暗黒物質の振る舞いによって説明できるかもしれない。対象の構成を明らかにすることは、システム的接近 systemic approachの第一歩であるが、宇宙のおよそ96%が正体不明であることは、物質的説明としては、(分布が一様的だとして)地球や人体システムの構成物の約96%を見落としている、あるいは隠れたままということになる(ただし、作用としてはほとんど無関係ということはあり得る)。現在の科学的観測装置によっては不明の存在者が、(質量で測って)大部分なのである。]
[実在性の程度や、たとえば超光速が観測されるかどうかもまた、観測者(そしてまた何によって測定するか)システムに相対的である。]
5. 対象の存在や(観測される)諸性質を説明する場合、とりわけシステムとして説明する場合は、その部分を構成する諸物体システム、つまり下位システム間の関係、つまり構造を明らかにすることが要〔かなめ〕である。むしろ、下位システム間の諸関係を、構造と呼ぶことにする。
これはむろん、対象についてなんらかの抽象と捨象をして、一定範囲のことがら(だけ)を問題にすることになる。われわれの認識は限定的である。(対象についての直観 intuitionということがあり得るとすれば、それは(作用的に)非限定的かもしれない。)
システムの構成、構造、そして環境(システムの様々な種類と程度の作動諸条件と捉えることができる。
6. 環境とはつねに、ある主体にとっての環境である。主体を特定して、その環境を特定できる。
環境を、環境諸要因 environmental factorsまたは諸条件 consitionsの総体 totalityだと分析してもよい。また、環境とは、或るシステムの様々な種類と程度の作動諸条件と捉えることができる。[環境 environment]
7. なんらかの理論を構築したり、言明を一般化するためには、対象とするシステムの分類が先立つ。われわれの概念的営為に関する限りは、役立つ分類体系が要である。[分類 classification]
様々の存在者または対象を、分類することは、物理的タクソン taxonや生物的タクソンを設けることが便利である。これらのカテゴリーは、われわれの構築体である。同定カテゴリーであるためには、一定であることが必要である。
8. しかし命名者が或るタクソンを設定する際には、人々間での交信の都合もあって、或るタクソンに属する物体(生物体を含む)について観測される諸性質で定められる[タクソンの定義]〔これを定義と呼ぶことには、実は大きな問題がある。たとえば生物体を、それがどの種類に属するかを決定する、つまり同定[属員性 membershipという、分類カテゴリーと物体との関係性の決定]する場合は、瞬間的なまたは静的諸性質によっている。しかし、生物体の場合は、それらは現象的側面であり、本質的規定であるとは限らない。このことは種システムの問題(の理解)と関わるので、後述する。〕。
9. このようにタクソン的分類をすれば、対象は様々な種類に属する諸物体ということになる。そうすると、諸物体の振る舞いを、タクソン的存在者たちの間の相互作用として捉えることができよう。
10. ではまず、或る物体システムの境界または他の物体システムとの接面 interfaceの決定という問題である。人体の場合は、皮膚面で画定できる。ただし微細に見れば、微細な穴、たとえば汗腺が開いていたり、たとえば消化器系の口のように、開いたり閉じたりする(栄養摂取での物体の運動場所としては、また発生的にはと言ってよいのか、口から肛門までの管は、システム外部である。ただし毒物が通過すれば、そのシステムに『感受性』に応じて作用する(むしろ様々な空間規模と制御水準での物体間相互作用)。
皮膚面という認識は、人の眼(正しくは視覚システム)の空間分解能(と時間分解能)に依存している。したがって、空間尺度 spatial scale においても、観測されるものごとは相対的である。