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講演『私と労働運動』 郵政産業労働者ユニオンの内田正さん

2018年09月14日 09時32分36秒 | 労働組合
 
 
 9月11日(火)夜、東部労組は、郵政産業労働者ユニオンの内田正さんを講師に招き、『私と労働運動』というテーマで学習執行委員会を開催しました。
 
 内田さんは1950年生まれで、もともとは圧延現場の工場で労働運動を始めました。1991年郵便局に勤め、1997年郵政全労協の郵政ユニオンに参加し、2004年郵政労働者ユニオン結成時には委員長に就任されます。2007年郵政民営化の大攻撃を経て、2012年全労連の郵産労と全労協の郵政ユニオンが組織統一した郵政産業労働者ユニオンが結成されました。
 
 現在郵政産業労働者ユニオンは、郵便局の職場で、ストライキや仲間と団結した職場での闘い、また非正規差別と闘う労契法20条裁判等を敢然と闘っています。
 
 内田さんや郵政産業労働者ユニオンは、この間、同じ非正規差別と闘う東部労組メトロコマース支部の闘いをはじめ、東部労組に多くの支援をいただいています。私たちの闘争現場で内田さんが何度も涙を流しているところを見かけます。組織は違っても、わがことのように怒り、嘆き、闘うことができる尊敬すべき活動家です。
退職後の現在は郵政ユニオンで労働相談にあたっています。
 
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 学習執行委員会で内田さんは、若き日の労働組合活動の経験を紹介しました。365日・24時間操業・3交替労働の圧延工場で圧延工としての労働組合活動を通じて、「ドレイ工場」のような悲惨・矛盾がたくさんあるからといって自然発生的に労働運動が起きるとは限らない。また当時の職場の労働組合の活動を通し「考え方は違っても解雇・解雇争議は支援する」、「企業や組合の枠を超えた争議支援」、「企業内の闘いだけでは真の労働者意識は作れない」、「先輩労働者からビラの裏表は書くなと教えられた」、「組合は学校だった」と話されました。
 
 1997年からの1997年郵政全労協の郵政ユニオン時代の経験として、公務員職場での非正規労働者の日々雇用・任用制度がいかに不当な雇い止めを産んでいるかと話されました。
 
 2004年全国単一組織として郵政労働者ユニオンを結成し、内田さんが委員長になります。2007年郵貯や保険の巨額の資本に目をつけたアメリカの市場開放というねらいによる郵政民営化の大攻撃が始まります。しかし、この時、多くの人々は、小泉政権の宣伝に乗り、真実を知っていた市民は圧倒的に少なかった。この時の経験から、労働組合や労働運動ももっと地域や社会に出ていき、多くの市民の共感を得るための新たに伝える手段や方法が必要だ。今も子供を持つ多く親は、「子供がいい大学を出れば、いい会社に入れる」と信じている。しかし、今、大学の教員の多くは大学院を出た方の非正規で占められ、ぼんぼん首を切られている時代だ。こういうことを広く理解してもらうために、新しい手段を考える必要があると力説されました
 
 2012年全労連系の郵産労と全労協系の郵政ユニオンが合併・組織統一した実に画期的な郵政産業労働者ユニオンが結成されました。
 生まれも育ちも違う労働組合がなぜ一緒になれたか。
 当時は、全労連の方からも全労協の方からも心配された。しかし、両組は郵政民営化との闘いで、同じような闘いをしてきた。だったら一緒にやる要素はないのか。そのために互いに協議はしたが、多分協議よりはとにかくいろんな職場闘争が先行していた。職場闘争、裁判で、できることは一緒にやろうよとやってきた。理屈よりは同じ闘いや一緒にやることが組織統一の源泉だったのではないか。
 
 今何を考えているか。
 現在労働組合の力が弱くなっている。問題の可視化、社会問題化する運動が必要ではないか。かつての年越し派遣村の経験から学びたい。派遣村は、多くの市民と結びついて派遣労働者の悲惨な状態を可視化した。社会問題化したし、社会全体にも派遣問題への怒りも生んだ。
 
 非正規の差別との闘いも肝心な非正規の働く人や市民への拡がりももっと世の中に拡げる必要がある。労働組合の枠を超えた取り組みが必要だ。
 
 今までの常識が通用しない状態がうまれている。多くの労働相談をしていると、かつて職場のいじめの多くは会社側や管理職のパワハラだった。しかし、今の労働相談では、同じ同僚からいじめられる人も多い。社会的に繋がり、労働組合だけでなく職場内の人間関係も崩壊してきている。どうしたら再生できるだろうか。労働組合だけの問題なのだろうか。また、いろんな運動のやり方や仕方があっていいのではないか等提起されました。。
 
 質疑応答の後、第二部としてお酒もいれた交流会が行われ、大いに盛り上がりました。
 
内田さん、ありがとうございました。 
 
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動画
『私と労働運動』郵政ユニオン内田正さん

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