中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

ロング・ラブレター 漂流教室

2005年07月25日 | テレビ
ここ2週間ほど昼に再放送されていた「ロングラブレター 漂流教室」。楳図かずおの原作で、2002年の放映作品。

最初に結論からいうならば、細かい部分についてはいろいろと突っ込みたくなるところあるも、なかなかに楽しめるドラマ。このようなシチュエーション系SFドラマ、というのは総じて飽きずに見ていられる。日本のテレビドラマでSF取り上げること自体稀なだけに、その意味でも思わぬ拾いものだった。

物語は「若者の成長」と「環境問題」のふたつをメインテーマとして据えている。それゆえSFとしてはやや薄味な印象。原作を読んでいないのでなんともいえないけれど、破壊された未来でのサバイバル、となれば仲間内での抗争、外部からの侵入者、そして未来生物。こういう危機状況への対応が物語りのクライマックスとなるべきだと思うのだけれど、これらはいずれも結構あっさりと片付けられてしまう。

原作の大枠は借りているものの、設定はかなり変えている様子。SF臭を消そうとの努力が強く感じられ(エンディングの不釣合いな山下達郎の音楽とかその典型)、SF的設定の妙を楽しむことを期待すると裏切られる。物語の焦点はあくまでも登場人物の人間ドラマ。

これは視聴率という現実的な理由はあるとは思うけれど、同時に11回完結という日本ドラマの制約にも原因があるのかもしれない。このような話をきっちりつくるのであれば、アメリカのように1クール、20話程度ないと苦しい部分もあると思う。

常盤貴子(この人が演じる一生懸命な女性役、は総じてよい)は言うまでもないけれど、思いのほか良かったのが窪塚洋介。実はこれまでこの人の演技をみたことがなく、奇行報道の印象だけでイメージを固定してしまっていた。先入観でものを捉えてはいけない、とあらためて反省。この人による若き教師像というのも、このドラマを見て得た収穫の一つ。

原作の最後は知らないけれど、このドラマのエンディング自体も結構「意外」なものだった。これはぜひ自分の目で確かめて欲しいところ。ただ、最後の最後、あの一シーンだけは明らかに蛇足。訴えたいことの意味はわかるけど、あまりにベタだと思う。

いずれにせよ、思いのほか拾いもの。レンタル等で見てみるのも悪くないと思います。

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3 コメント

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TBありがとうございました (CHATO)
2005-07-26 17:01:55
はじめまして。TBありがとうございました。



漂流教室、私もラストシーンはかなり不満でした。

万人向けに分かりやすいオチを、と思ったんでしょうが…



記事のいくつか、興味深く読ませていただきました。

またぼちぼち読んでいこうと思います。
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はじめまして! (tan-kan)
2005-07-26 17:41:27
こんばんは。

TBありがとうございました。



私も原作を読んでないんで、最後はどうなるんでしょうね?

最終回は、よくわからない終わり方でしたが

いいドラマでしたね!

窪塚洋介の演技も、良かったです



私からもTBさせて下さいね。
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はじめまして (もりくま)
2005-07-26 17:59:27
トラックバックありがとうございます。

最近、始めたばかりですがいろんな意見聞けて

楽しいです。

またお願いします。

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