中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

タックは何処へ

2005年08月26日 | 日常
のだめカンタービレで「千秋さまはこんなツータックのへんなズボンはかないわよ」と、主人公のひとり、千秋の代役を申し出た別の若手指揮者に真澄ちゃん(千秋のファン。乙女な男性)が毒づくシーンがある。

これを読んで、それとなく「ツータックのズボンって変なの?」と連れに確認してみると「スーツならともかく、今時カジュアルウェアでタックの入ったパンツなどありえない」との回答。

だいたい「ズボン」と「パンツ」という点で二者間に、常識のどこかに「溝」があることは自分でも分かるのだが、こうもはっきりと断言されると少々面食らう。

もともとファッショ関連にはそう強くないし、世代的にもなんとなくアメリカンカジュアルであれば無難、で30年以上をやり過ごしてきた身にとって、今回の件は日常に潜むちょっとした衝撃といっても大げさではない。信じた「常識」はなかなかに変えられないのだ。

普段Gパンを穿くことが多いけれど、それ以外にコットンパンツ(いわゆるチノパン)も何本かは持っている。自分としては「当然のこととして」ツータックのものを選んでいたわけだけれど、これは「ありえない」のだと。

こちらはまだ怪訝な顔をしていたので、後日、新宿へ二人して出かけた際「論より証拠」とばかりにセレクトショップ何件かを連れまわされた。「セレクトショップ」が何たるかは知っているけれど入ったことは殆どない。そこにある「パンツ」をいろいろと手にとっては自分の言っていたことがいかに正しかったか、得々と説明を受ける。

確かに、今の若者が穿くパンツ、ダボダボなものもそうでないものも、タックの入っているもの、一つもなかった。新宿でも中野でも、どれだけ若者達とすれ違っても、見ていないところは見ていなかった…

いまのズボンにタックの入ったものは殆どない。どうでもよいようなことで時代と自分との乖離を感じてしまう出来事であった。