中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

中央線でまた

2005年08月02日 | 日常
仕事で秋葉原へ出かけた帰り、駅で総武線ホームに行くと電車が停まっていた。10分ほど前に隣の御茶ノ水駅で人身事故があったとのこと。総武線はまもなく動き始めたのでよいが、その隣、御茶ノ水駅では事故を起こしたと思わせる中央線の車両がホームに止まったまま。そこで10数分前になにがあったかと思うと、夏空の下でも暗い気持ちになる。

東京以外の人に分かりにくい話で申し訳ないけれど、中央線と総武線というのはどちらもJR線。東京の環状線、山手線の中央を丁度東西に橋渡しする路線で、その環状のほぼ中心にある御茶ノ水以西は、同じ路線を並行して通っている。それだけなら便利な路線、の一つに過ぎないのだけれど、東京ではとにかく人身事故が多いことでも有名な路線。更に言うなら、その人身事故の大半は自殺…

具体的な数値を見つけることができなかったのだけれど、日常利用する立場からしても、この中央線は本当によく止まる。車両故障等もたまにあるのだが、圧倒的に多いのが「人身事故」。

かなり昔、東京で自殺の名所といえば高島平団地が非常に有名であった。何度か行ったことがあるのだが、ごく普通の団地。なぜ、ここが自殺の名所となったのか。調べてみると、結局メディアが喧伝することで、自殺志願者がここへ集まってしまった、ということらしい。

自殺をしたいと思ったことがないので、なんともその心理は分からないのだけれど、死のうと思った時、人は他人と同じやり方を選びたがるものなのだろうか。
以前、同じく中央線の人身事故で電車が停止していた時、隣にいた外国人(旅行者でなく日本在住っぽい)が「日本人は死ぬ時まで他人と一緒だな」と仲間と毒づいていたことを記憶している。

死者を鞭打つ気にはなれないし、冷静にいられない状態だからこそ、思いつくことにも限界があるのだろう。なので、この中央線へ「集中」している状況自体をせめてもしかたない、と思う。個人的にはJRに何かしらの対応を打ってもらえればと思っている。

東京都営の地下鉄は、ホーム両端に壁があり、電車が到着するまでドアが閉じたままとなっている。あの仕組みを採用すれば、思いつきによる自殺者、というのは相当数防げると思う。もちろん、JR全線で実施するとなるとそれなりのコストもかかるとは思うが。
彼らも「被害者」の一員であるのかもしれないけれど、単にコスト等ビジネス的な観点だけでなく、公共機関を自覚するのなら、このような対応を検討して欲しいものだ。

もっとも、JRが対策を立てれば私鉄、ということになるかもしれないし、結局自殺者を多く生み出す社会、その根本を改善しなければどうにもならない話なのかもしれないけれど…