中野系

この銀河系の中心、中野で考えること

闇は電波にのって

2005年07月12日 | 日常
大昔からある不幸の手紙は携帯電話世界においてもしっかりと健在の様子。転送しないことによるペナルティは、あなたに不幸が起こるという基本的なものから、最近の流行に従った「巨額のパケット通信代を支払わせる」というバリエーションまで、いろいろあるようだ。いずれも一定数の転送を行わないと発生する、というところは一緒。

新聞によれば、このチェーンメールの横行を防ごうと動き出したのが日本データ通信協会の「迷惑メール転送センター」。

このセンターが10種類のメールアドレスを用意し、もしもチェーンメールを受け取り「放置することができない人」はこのアドレスへ転送してださい、とのこと。

受け取っても相手にせず転送しないのが基本だが、不安な人はこのアドレスを利用すれば、センターでメールを責任もって削除するとは同センターのコメント。

ちなみに、用意されたアドレスはドコモのアドレスが5つ、ボーダフォンが3つ、残る2つがauのもの。一般のメールアドレスで充分では、と思ったが、たぶんXX人の携帯メール宛送らないと…という条件が付くことを考えてのことだろう。なかなか芸が細かい。

センターのコメントにあるように、放っておけばよい話。せいぜい相談窓口でも設ければすべては解決することだと思うけれど(実際これも準備されている)、それで納得できず転送を繰り返してしまう人も多いのかもしれない。その意味において、同センターの対応は実に現実的だ。最近は子供に携帯を持たせる親も増えているようだし。

ただ、最近は一般の大人でも「風水がよくないから」とか平気で言うから、案外このアドレスの利用者は子供だけではないのかもしれない。

決して肯定するわけではないけれど、いつの時代も、その先端の技術上で、人間が結局は同じ行為を犯してしまうこと。これ自体は非常に興味深い。

チェーンメールを始めようと思った「誰か」。その人の暗く、歪んだ心の闇がネットワークと電波を経由して自分の手元の小さな端末に到着する。そしてそのメールが受信者の心の弱さと共に別の端末へと伝播していく…
不謹慎ではあるけれどもしも出来るなら一度、日本データ通信協会に集められたメールの文面を一日、じっくり眺めてみたい。たぶん、楽しい作業ではないけれど、闇を眺めることで見えてくるなにか、があるような気が個人的にはするのだ。