検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

原発からの撤退、いまが決断のとき

2012年02月11日 | 原子力発電の再稼働
 電力各社は原子力発電が次々、定期検査で運転停止、再稼動ができないなかでかつて経験したことがない売り上げの落ち込みに見舞われているのは容易に分かります。
「節電」は販売電力の減少であり、それは電力会社の売り上げ減少です。売り上げが減少しても人件費など固定経費は同じですから、利益率は落ち込みます。
 その状況は東京電力を除く電力各社の23年度第3四半期の決算報告書にくっきり表れています。問題は今回の福島第一原発事故を受けて、どう電力事業を再構築するのかです。
 電力会社と財界の主張は、原発の再稼動であり、日本のエネルギー計画に原子力発電を据えることです。政府もこの方向で同調していますし原子力発電の海外輸出も重要な政策にしています。

原発推進に「安心・安全」はない
 だが、これでは福島第一原発の事故の教訓を生かしているとはいえません。原子力発電にも化石燃料にも依存しないエネルギーで電力需要をまかなう方向に転換してこそ、福島第一原発の教訓を生かしたエネルギー政策です。
 だがそれは「理想だ」といって切り捨てようとします。将来はともかく現時点を考えると原子力発電は必要な電源だという声も根強くあります。
 しかし原子力発電と化石燃料に依存した電力・エネルギーは安心・安全を過去も現在も保障しませんでした。
 例えば原子力発電は「クリーンで安い」がウリでした。しかし福島第一原発事故は放射能汚染で人が住めない地域をつくり、地球環境を汚染しました。その期間は30年以上にわたる長期間です。
政府と電力会社は、原子力発電はもつとも発電コストが低いと言ってきました。この試算は設備稼働率80%の場合ですが原子力発電の稼働率はデータ隠しやトラブルの多発で65%台です。稼働率の低下はコストを引き上げ、電力会社の収益率を悪くしている最大の原因です。コスト問題では最終処分費用が計算されていません。処分地も確定していませんし、処分方法も未確立です。いくらかかるわからない原子力発電からは撤退したほうが電力会社の経営は安定します。

火力発電からも撤退する
 化石燃料に依存する火力発電について見ると、限られた資源であり、100%輸入に依存することから価格上昇に見舞われて、化石燃料は「安い燃料」でなくなっています。去年の価格上昇は東京電力資料(23年度第2四半期)では半年前の1.45倍です。その上昇は電気料金に上乗せしていますので電気料金も高騰しています。
 さらに見逃せないのは火力発電の中でも石炭価格が他の化石燃料より安い理由で石炭火力発電を増やした結果、電力業界の二酸化炭素排出量を削減するどころか増やしています。

自然エネルギーこそ安心・安全を保障し、地球温暖化を防止する
 これまでの取り組みを通じて原子力発電と化石燃料に依存したエネルギー政策は破たんしたのは明らかです。では自然エネルギーで原子力発電と火力発電がまかなってきた電力を作ることができるのか。「できる」というのが結論です。
 そして自然エネルギーに転換することで雇用は現在より格段に増え、地域経済、特に山林地域をかかえる地方の経済は活性化します。


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