伝説の島:「嫁が島」を背景に~「キンクロハジロ」が泳いでいる。
これが伝説の「嫁が島」
宍道湖には、たった一つだけ島がある。 岸から約200m離れた場所に、小さな島が有る。 それが嫁ヶ島である。島には、江戸時代初期に堀尾忠晴が勧請した竹生島神社の祠があり、多くの松の木が植えられている。 そして何と言っても、現在は夕日を背景とした美しさで有名で、「日本夕日100選」にも選ばれている。
この嫁ヶ島には、その名にちなんだ悲しい伝説が残されている。
昔、姑のいじめに耐えかねた嫁が、 ある冬の夜 家を抜け出し実家へ戻ろうとした。 ちょうど氷の張った宍道湖を渡っていけば近道と、嫁は湖面を横断して道を急いだ。 ところが、何かのはずみで(一説によると、寒さのために嫁が小用を足したためであるとも)いきなり氷が割れ、嫁はそのまま冷たい湖底へと沈んでいったのである。
それを見ていた 水神 が憐れに思い、夜が明けきらないうちに、小さな島を浮き上がらせて、嫁の亡骸を湖面へと引き揚げたのであった。
嫁の亡骸と共に湖面に現れた島ゆえに“嫁ヶ島”と呼ぶようになったという。(日本伝承大鑑)
嫁ヶ島は、溶岩からなる玄武岩で出来ているとされる。 また『出雲国風土記』によると、この島は 蚊島(かしま:安芸厳島神社より勧請、市杵島姫命を祀る。)と呼ばれており、その表記が蚊島(かしま)いつの間にか転じて 嫁島 となり、今の名前「嫁が島」になったのだろうと考えられている。
(画像お借りしました)
キンクロハジロ:金黒羽白
金色の目、黒い体、白い翼帯 ~見目が和名の由来
北海道では繁殖するものがいますが、本州より南では冬鳥です。 湖沼、池、河川など淡水、汽水域に生息していますが、時に海上で見ることもあります。 カモには水面に逆立ちしてエサをとるものと、水の中にもぐってエサをとる種類があります。 キンクロハジロは潜水採餌カモです。 潜水してシジミ(宍道湖名産)など貝類を主食にしています。 飛びたつ時には水面を助走します。
このカモは、目が金色、頭や背、胸、尾、翼の上面が黒、翼に現れる帯が白ということで羽白ガモ、合せてキンクロハジロ、となったようです。