ロコモティブ症候群とは、運動器の衰えや障害によって要介護になるリスクが高まる状態のことである。高齢者に特有のもの、少なくとも中高年以降の人に生じるもの、と思っていたのだが、子どもたちがこのロコモティブ症候群の予備軍として注目されているというのである。
最近の子どもたちの運動能力が昔と比べて相当低下しているのは、かなり前から言われていることである。うまくしゃがめない(しゃがむ機会がそもそも今はないような…)しっかりと片足立ちができない、万歳の恰好ができない(両手を真上に上げることができない…まさか!!?と思うのだが…)とか…昭和の時代に比べれば、そりゃ便利な時代になったもの、体力が低下するのも当然でしょ、と思いつつ、こうやって例を挙げられるとショックを受ける。
このままの状態で大人になると、間違いなく日常生活に支障を来すようになると警告しているのは、日体大総合研究所所長の武藤芳照さんである。
運動機能低下の原因は「運動不足」と「運動過多」にあるとのことです。運動不足は予想どおりだが、意外なのは運動過多だ。
運動をするうえで大事なことは、「質と量」で、質とは種類のこと、量とは強さ・時間・頻度のことであり、この質と量に問題があるそうだ。
運動不足の原因は大人と同じで、普段の生活の中で体を動かす機会が少なくなっているせいだ。それに加え、外遊びができる時間や空間が少なくなっていること、学校への登下校の際スクールバスを使用したり、家族の車で送迎してもらっている子が増えていることが挙げられている。
運動過多とは、幼いころから特定のスポーツ種目に取り組み、指導者が教えすぎることで生じる肩・肘・腰・ひざなどの故障です。よかれと思ってやらせているダンスやテニス、サッカーや野球で子どもの体が要介護のリスクにさらされるなんて…
また、一つの種目に偏るのもよくないそうです。いろいろな種類の種目を実践していれば、その分怪我や故障のリスクが分散されるようです。そして運動を実践する際は、量が多すぎず、強度が強すぎないことを心がけるべし!とのことです。
これからオリンピックに向けて子どもへの期待がふくらみ、ぜひわが子をアスリートに!なんて、夢を託す親が増えそうだが、無理をさせて子どもの将来を台無しにするのだけはやめてほしいな。
勉強でもスポーツでもトップを目指すのはいいが、夢破れる人のほうが現実には圧倒的大多数なのだから、そのフォローこそしっかりやらないといけませんよ!
ものにならない、パッとしないなどと言ってわが子を切り捨てるのはいけませんよ。
武藤さんは、教育とは「子どもが本来持っている能力や感性を引き出すこと」と言ってます。
自分の果たせなかった夢を子どもに託すのが教育ではないみたいですよ!!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます