児童養護施設で育った里親さんのお話でした

2014年03月12日 | 日記
里親研修会に行って来ました。
イヌちゃん、ネコちゃんとの付き合い方…
じゃないんです!!
実は私は人間の里親資格を持っているんです!
ちゃんと県知事から認められているんです!
悪しからず。
人間の場合、この名称はやめたほうがいいのかもしれない…
それはおいといて!
今回は、児童養護施設で育ち、現在訪問介護の仕事をしながらレスパイトケア(養育里親の急用や休養のため、他の里親が一時的に子どもを預かる制度)で子どもを預かっている女性を講師として迎えての研修会でした。

里親になった理由を彼女は次のように話してくれました。

1 児童養護施設や里親家庭で育った人たちは、こういうことがイヤだった、辛かった。もっとこうしてほしかったなど、ネガティブな思いを抱いていることが多い。でも自分はそうではない。ネガティブな部分ばかりではないということを発信していきたかった。

2 子どもたちが再び親から虐待されることがないよう、子どもたちの受け皿になりたかった。実の親に会わなくてもいい、という選択肢があってもいいはずと思った。

3 養育者の気持ちを知りたかった。

彼女は、他人の力を借りて生きてこられた
税金で育ってきた、だから社会に恩返ししたいと言います。

親から養育放棄もされず、虐待も受けなかった私には
想像すらできない考えでした。

施設で育つのはかわいそう、実の親と暮らせないのはかわいそう
そう思う人もいるかもしれません。

彼女は中学生のときに自らの意思で外部に助けを求め、保護されました。
安易な感傷など入り込む余地のない切迫した状況だったのだと思います。

誰しも支払う税金は安いにこしたことはないと思うでしょうが、ひとりの人間を救った現実を鑑みれば、脱税もどきの節税や、収入が少ないゆえの少額税金や無税でお得と思うことは恥ずかしいことかもしれません。別に誰かを批判してるんじゃないですよ!自分が支払った税金が有意義に使われるのはいいもんです、ってなことです!

彼女の話で印象に残ったのは

常識など、当然とされることや、母性のような湧き出るものがわからない…
ということでした。やはり施設で育つとそうなのか…と思ったのではなく、
このようなことは、施設育ちに限らず、よくみられることだと思ったのです。
施設と家庭の差がなくなりつつあると私は感じています。よくない意味で、です。

もうひとつ、施設にいると、将来に希望が持てないというものです。
これも同様に、よくみられることだと思います。
勉強して何になる?明日ごはんが食べられるわけじゃない…というかんじで刹那的になるそうですが、こんな人多いと思います。

施設というハコモノが悪いわけではないはずです。
家庭というハウスがあればいい子が育つわけではないですよね。

施設や里親家庭で育った人がこのような研修で講師を務めることは珍しいことです。
貴重な体験でした。


何年か前には、茨城県高萩市の前市長、草間吉夫さんが講師としていらっしゃいました。
ひとりぼっちの私が市長になった!
という著書があります。
乳児院・児童養護施設で育った人です。
コメント
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