ブログ仙岩

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大石邦子「おまじない」を読んで

2024-07-14 04:47:28 | エッセイ

暗闇に慣れてきた深夜のベットで、私は込み上げてくる笑いを抑えがたく、また、ふふふと笑った。

今でも師字られないおまじないだが、本当に嬉しかった。

この二日間探し物に明け暮れた。大切な手帳がどこかに消えてしまった。

今年度の予定,マイナバーカードやキャッシュカードの暗証番号など、この手帳にメモして、大切なことはすべて書いてある。

机の下や引き出し、本だな、タンスや古新聞の束も調べたがどこにもなかった。

そんな時、友人の祐ちゃんから電話が来た。

元気がないと言われ、手帳をなくした話をしたら、「そういう時は、この言葉を二度唱えると出てくるから」と、呂律の回らない意味不明の言葉を教えてくれた。

むろん信じられず笑ってしまったが、何と出て来たではないか。

古い日記帳に挟まって、焼却用の段ボールに入っていた。

彼女とは10年ほど前、病院の待合室で出会った。まさかの癌の宣告を受け、ふらつく想いで診察室を出ると、一人の若い女性が駆け寄り「大石さんですよね、ここに、凛と生きると書いて下さいと手帳を広げてきた。

今日はダメという気持ちでも、こういう人たちによって生かされてきた人生で、書いたことへの責任から、震える手で「凛と生きる」と書いた。

あれから十余年、彼女は大切な友人で、どうしたらよいかわからない私への励ましだったのだろう。ハイ!みんぽう7月号。画像はその表紙。

子どものおまじないは「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの飛んでいけ!」など。

大人のおまじないは殆どなく、私もメガネをなくして、未だに出てこない。仕方なく買って使用している。