「・・・・」
担任から言われた言葉の意味を少し考えているミエ。
しかし次の瞬間、職員室からソ・ジスが出て来たので、それ以上考えることは出来なかった。
ドアの隙間から学年主任の声が漏れ出ている。
「お前反省文書いてこなかったら両親呼び出すぞ!忘れたら今度こそ大目玉だからな!」
思わずミエは、ソ・ジスに駆け寄った。
「ねぇ、あんた大丈夫だった?!一体何発殴られたの!?
お尻をさするソ・ジスに、ミエはペラペラと喋りかけ続けた。
「てか学年主任も大概だよね!
0点・・うん、生きてたら0点取ることもあるよね!不思議っちゃ不思議だけどさ・・。
「あーそうだっt・・ふぁぁぁ」
あれだけ叩かれた後で、ソ・ジスというこの男は、大きなあくびをした。
しかもミエと彼とは週番の係なのだが、それも分かっているのかどうかも怪しい・・。
「え?”そうだった”って・・」
ミエの頭の中にあるサイレンが回る。
[不吉なオーラを感知した]
<1グループ ソ・ジス>
ミエはあらためてソ・ジスに駆け寄った。
「ちょっ・・ちょっとちょっと!ちょっと待って!」
「ねぇ!ちょっとしっかりしなよ!
「えっ」
「ふわぁぁ〜」
これはピンチ、とミエの本能が告げていた。
ミエはソ・ジスの視界に入るように、必死になって彼の前に回り込む。
「ちょっとあくびしないで・・ちょっとあんた!ソ・ジス!19番!フォークダンス一緒に踊ったよね?!
そう言って前に立ちはだかったミエを、ようやくソ・ジスは真っ直ぐに見た。
「わかった。来週の週番はあんたと俺。これでいい?」
ようやく分かってくれたみたいだ。
ミエはさらに念を押す。
「ふん・・月曜日に30分・・」
「それじゃ俺はこれで・・ふわぁぁ・・」
ミエは不安でいっぱいだ。
しかしそこで、ソジスが口を開いた。
「あんたも髪切った方がいいんじゃね。じゃないとバリカンで刈られるよ」
「え?」
「40番、ファン・ミエ」「へ?なんだ名前知って・・」
ソ・ジスはミエの名前を口にすると、突然ピタと止まってこう言った。
「あ、そうか。ファン・ミエ」
「え?私?なに?」
首を傾げるミエの前で、ソ・ジスは何かを探す手振りを始めた。
「あー・・今ねぇや。今度なー?おk?」
そんな謎を言い残して、ソ・ジスは去っていった。
大きなあくびをしながら。
当然ミエはポカンである。
「は?何?何言ってんの?」
首を傾げながら歩き出そうとすると、窓の外が怪しい雲行きであった。
「えっ!雨降りそう!」
「早く家帰んなきゃ!」
ミエはソ・ジスに向かって最後に声を掛けながら、廊下を駆けて行った。
「ねー忘れないでよ!お尻に薬塗るんだよー!」
「あー・・どこ置いたっけなぁ・・」
「名札ーー・・」
ソジスはちっともミエの言葉は聞いていなかった。
”ファン・ミエ”の名札を、どこに置いたのか思い出そうとしていたから——・・・・。
第七十六話②でした。
ちょちょちょ!!ソ・ジス!!
さらっとここで「フォークダンス一緒に踊ったよね?!」とミエちゃんが言ってる!
に戻ってみてみたところ・・・
・・いるーーー!!
ソ・ジスいるーーーっ!!あくびしてるーーーっ!!
あの異様にミエの前髪こだわっていた男・・・こいつだったのか・・・!
いや〜初登場は顔すらなかったのに、ここにきて存在感を濃くして登場とは・・。
スンキ様マジックに新年早々震えてます・・
ソ・ジス、どういう立ち位置のキャラなんだろう〜〜?!ワクワクしますね!!
第七十六話③に続きます