ゲームセンターの中は騒がしかったが、ミエたちのグループには静寂が立ち込めていた。
チョルがはっきりとホンギュを否定したからだ。
一番驚いていたのはやはりベ・ホンギュだった。
目を丸くして、チョルの方をじっと見ながら動かない。
そんなホンギュを前にして、チョルは「しまった、」と小さく呟く。
ホンギュの口から、地を這うような声が出た。
「おい、お前・・・」
「お前、今これの前で俺に意見した?お前これの味方なの?」
「いや、味方とかじゃなくて・・さっきのはお前がひどいだろ」
「どうして俺にこんなことができんだ?お前はこの豆より俺を選ぶべきだろ!」
豆子・・もといミエを巻き込みながら、
チョルとホンギュの言い合い(主にホンギュが噛み付いているだけだが)は続いていた。
「ガキじゃあるまいし何言って・・」「は?!ガキ?」
「ガキだとぉ〜〜?!」
チョルが何気なく口にした一言が、ホンギュの逆鱗に触れてしまったようだ。
「言いたいことはそれだけかっ?!!」
「お前急にどうしたんだよ?!最近ちょっとおかしいぞ!」
「何?急に喧嘩始まった?!え?私のせい??」
突然大きな声を出し始めたホンギュに、ミエたちはオロオロするばかりだ。
一方チョルは冷静だった。
「いや俺は別に・・・そうじゃなくて、ただもうちょっと口に気をつけろって話だろ」
「おいふざけんなよ!これの方が口悪ぃだろ!これの方こそ口に気をつけろって話だろーが!」
見かねてジョンウクが間に入ろうと声を掛けた。
「二人とももう止め・・」
・・がその瞬間、チョルが再びホンギュに物申した。
「人に対して”これ”なんて言うなよ!」
はっ
・・全員が驚いていた。
こんなにも真っ直ぐに何かを否定するチョルを、皆初めて見たからだ。
雲行きはますます怪しい。
この出来事の行方は、どこへ向かうのだろうか——・・・。
第七十七話③でした。
短めですみません
チョル、ますますはっきり言いましたね
そしてホンギュの主張が・・。
君はチョルの彼女なの??と聞きたくなりますね・・
チョル、女子からも男子からもモテモテなのね・・
第七十七話④に続きます