青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第七十六話①

2023-01-03 | 第七十六話〜第七十八話

放課後、生徒たちはガヤガヤと帰路についた。

その中にはチョルもいたが、担任に呼び出しをくらったミエのことが気掛かりのようだ。

「模試も終わったし、サッカーしない?」と、クラスメートは気楽なようだが。

そしてその頃、職員室では・・。

「避けるんじゃないぞ」

ブンッ!

ヒィィィ!

バシッ!!

学年主任が振り上げた物差しは、ソ・ジスの背中に向かって振り下ろされた。

「このバッカもんがぁ!去年は絵を描いて、それでも一学期はちゃんと試験を受けたから、

大丈夫だと思っていたら!」
 
 
「0点とはなんだ0点とは!間違ってるのはわしか!?えぇ?!わしの方なのかぁ!?
 
しかもなんだこの髪は!?なんでこんなに長いんだ?!切れって言ったよな?!
 
バリカンで刈ったろか?!」
 

どうやら真面目にテストを受けないソ・ジスに、学年主任はおかんむりのようだった。

しかし当の本人はというと、

「あー・・はぁ・・まぁ・・うっかり・・」

・・と、まるで説教が響いていないようなので、学年主任の怒りはますますヒートアップする。

「なんだこの野郎!わしをおちょくっとるのか?!もっと叩かれたいようだな?!」

「主任、どうか落ち着いて下さい」「姿勢保てよ!怪我するぞ!」

目の前で繰り広げられるそんな光景を見て、ミエはオロオロするばかりだった。

な、なんなの?学年主任暴走してない?
 
痛そう・・え?まさか私もじゃないよね?けどなんで0点・・

そんなミエの気持ちを見透かすように、担任が声を掛けた。

「今他人の心配をしてる場合じゃないと思うけどね、ファン・ミエ」「はい?!」

「2科目空白が目立つ状態で提出したわね。しかもその内1つは私の受け持ち・・。

あんたたち二人がうちのクラスの平均点をどれだけ下げたか分ってるの?」
 
 
そう口にする担任が持っていたのは、表面だけ記入されたミエの回答用紙だった。

つまり、ミエはテスト半分白紙で提出してしまったのだ。

「え・・?」

「・・え?」「気を確かにね・・」

[どうりでなんか簡単だなと・・]

ミエは何度も「え??」を繰り返した。

受け入れるにはなかなか難しいミスである・・。

 

 

<九死に一生>

 

ようやく事態を把握したミエは、担任にすがって談判を始めた。

隣ではソ・ジスがまだ叩かれていたが、もうそっちを気にしている余裕はなかった。

「先生様〜!お願いですから一度だけ!一度だけ見逃して下さい〜!

私を助けて下さい〜!お母さんにコテンパンにやられちゃう!!」
 
「・・だから今回だけ見逃すことにしたの。私が見てる前でやり直して」
 
「きゃー!本当ですか?!」
 
「笑わないの。次は絶対大目には見ませんからね」
 

(ミエの叫びに、遠くにいた美容院中の母は何かを感じ取っていた)

「何かしら?嫌な予感・・」

 

 

 

担任の温情措置に、ミエはホッと胸を撫で下ろした。

「あぁ助かったぁ・・本当にありがとうございます・・」

そんなミエに、担任が少し真面目なトーンで話を始める。

「よく聞きなさい、ファン・ミエ」

「あなたは明るくて友達ともよくやってるし、

キム・チョルにも気兼ねなく近づいて親しくしてるのは本当に好ましいと思うけれど、
 
だからと言って受験生ということを忘れていい理由にはならないわ。今も刻一刻と時は過ぎているのよ。
 
今はそれでいいかもしれないけど、高校、大学、就職と全てを要領よくこなすことは難しい。
 
もうそういうことも分かる年齢でしょう?
 
だからもうそろそろ本腰入れなさい、ファン・ミエ」
 

担任はそう話すと、もう行っていいとミエに許可を出した。

ミエは職員室を後にする。

「失礼しましたー」「早く帰りなさい」

「・・・・」

見ないようにしてきた何かを、今目の前に突きつけられた気がした。

けれどそれを実感するには、まだ今のミエでは十分ではないのだった・・。

 


第七十六話①でした。

 

みなさま、明けましておめでとうございます!

2023年も無事に明けましたね

良いお正月を過ごされましたでしょうか。

 

今年もゆるくのんびりと追っかけていく所存です。お暇な時にでも覗きに来ていただけると嬉しいです!

コメントもお待ちしてますー

本年もよろしくお願いいたします

 

第七十六話②に続きます