ジョンウクがホンギュとの対戦をしている間、
チョルとミエは若干気まずくなっていた。
よろけたミエを支えたチョルが、ミエの手に触れた。
手と手が触れ合った後二人は、なんとなく気まずい思いをしているのだ。
「ねぇ」「あ・・あ?」
先に口を開いたのはミエだった。
「あんたもジョンウクもゲーム上手いじゃん?二人ならホンギュに勝てるよね?」
「ダメじゃんー!一回コテンパンにしないと気が済まないよ!!ダメダメ!絶対勝ってよ?!」
「えっ?」
「模試終わったから、その・・」
それを切り出す前に、ジョンウクサイドから残念な音楽が鳴り響いた。
「俺の勝ちっ!」
「ぎゃっ!ダメーっ!」
ジョンウクの敗退。ミエとジョハンが悲鳴を上げた。
当の本人も気まずそうだ。
「ごめん、負けちゃった。最近やってなかったからなぁ」
ガーン・・
言葉を失くし呆然と立ち尽くす二人に、ホンギュはズバズバと言った。
「おいバカども、噛み付くなら相手を見てからするんだな」
遠くで空に黒い雲がかかり、低音の雷の音が鳴っていた。
それがドラムロールのように、真打の登場を歓迎する。
うちらの黒騎士・・!
期待で目をキラキラさせる二人に、ホンギュは意地悪く声を掛けた。
「まだやる必要あるか?大人しく俺にレアポケ○ンを・・」
「ほら、集まって。ちょっと作戦会議しよう」
ジョンウクはそう言って皆を集めた。
どうやら負けて本気モードに火がついたらしい。
「俺がまずホンギュの攻撃パターンを教えるよ。さっき何回かやってみたけど、よく使う技分かる?」
「・・何してんだ?そんなことで急に上手くなるわけ・・」
「ふふん!いまうちらの黒騎士のコーチング中だから!
ホンギュはそれを聞いて「お前は豆だろが」と返し、ミエは「うるさい!」と返した。
ミエの顔が自信に満ちている。それは、チョルへの信頼の証だった。
「やってみないと分かんないっしょ!私の黒騎士が私の代わりにあんたに勝ってくれるから!」
「僕の黒騎士がお前に勝つっ!」
ジョハンもそう力強く言い切った。
完全にホンギュは、全員の敵なのである。
「打倒・ベ・ホンギュ!!」「倒すんだ!行け!黒騎士!」「信じてる!!」
ヒクッ・・
ホンギュは完全アウェーなこの状況で、遂に胸に溜まっていたモヤモヤが漏れ出てしまった。
「おいジョンウク」
「無駄な希望はもう捨てろって。お前らはどうせ俺には勝てねぇし、
それにファン・ミエ、」
「こいつはダメだ。
これが勉強すると思うか?今回の模試だって簡単だったのに成績落ちたんだぜ?」
突然ミエとジョンウクの”勉強”に矛先が向いて、ミエはポカンと口を開けた。
あまりの物言いに、ジョンウクが顔を顰める。
「おいお前・・」
「目を覚ませよ、このクソ豆は見込みがない」
「全ーー部時間の無駄なんだよ!時間の無駄!!」
完全に行き過ぎたホンギュに、ストップをかけたのはこの人だった。
「ベ・ホンギュ、言い過ぎだ。もうやめろ」
「は?」
遠くで雷鳴がゴロゴロと鳴っている。
もうすぐ荒天の予感・・。
第七十七話②でした。
おお!チョル!よく言ったー!
友達だけどこうしてビシッと注意できるの、すごいですよね!
それだけミエの存在がチョルの中で大きくなってきたっていうのもあるし・・ジーン
さぁ黒騎士は勝つことができるのか・・?!
第七十七話③に続きます
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