ゴロゴロ・・
黒い雲は垂れ込めていたが、ミエはなんとか濡れずに帰ってこれた。
「まだ雨来てないや。降られなくて良かったぁ」
ほぼ無意識に、制服を脱ごうとして気がついた。
カーテン開けっ放し・・!
チョルの部屋のカーテンが閉まっていたから良かったものの、
危うく自分が変態を生み出すところだった。
「ふん・・変態・・」と呟きながらカーテンを閉めようとしたミエだが、
窓に貼っていた「最強の変態」がなくなっていることに気がついた。
「あれっ?」
振り向くと、その残骸がゴミ箱に・・。
「ちょっとお母さん〜!窓の紙なんで勝手に取るの?!せっかくのからかうチャンスがぁ」
「何言ってんの!」
「あんなの貼ってご近所さんの笑い者よ!それにそんなこと気にしてる場合なの!?
さて模試の成績は如何様か・・。
<予想外の状況>
その日の塾では、早速模試の答え合わせをやっていた。
「それで最後の問題の答えは・・」「3です」「正解」
「はい、これで答え合わせ終わりな!今回は割と簡単だったよな?」
「みんな点数計算終わったかー?書いて提出!お疲れ様」
まだ自分では確定したくないそんな事実を、不意に前の席に座っているパク・ジョンウクが口にした。
ミエは動揺を隠しきれない。
「えっ・・ちょっ・・・ちょこっ〜と?不思議なの〜・・
知ってる問題沢山出たのにね・・?あは・・はは・・」
そんなミエを、ジョンウクは含みのある表情で見つめる。
「んー・・」
な・・何?なんか怖いんだけど・・・
「ミエ」「えっ?何?!」
「ちょっと真剣に提案したいんだけど、俺たち、本気で勉強してみない?」
「へ?」
突然のそんな提案を、ミエだけでなくキム・チョルも耳にした。(もちろんベ・ホンギュも)
思わず彼らは振り返る。
「え?えっと・・ええ・・」
「あの・・」
「その・・?」
ほぉ・・という表情を保ったまま、
ファン・ミエ、ワープ!
ここは塾近くのゲームセンター。
別名・ホンギュの城。
ゲームの大きな音が響き渡る。
ドドド・・・ドガガガ・・・パンパンパン・・
そこには勿論、提案者のジョンウクと、
なぜかしたり顔のジョ・ハン、
そして・・
連れてこられた感満載の、キム・チョル——・・・。
フイッ
ベ・ホンギュがぽつり呟く。
「なぁ・・ありえねーっての・・」
このメンバーの中で、一番やる気になっているのはジョ・ハンであった・・。
「さぁそろそろ始めようっ!」
[なんだろ、この状況は・・?]
ファン・ミエ、安心したまえ。
読者もそう思っている——・・・!
第七十六話③でした。
連れてこられた場所がゲーセン!
ジョンウク、色々手玉に取るのが上手いなぁ・・(さすがミニユジョン)
第七十六話④に続きます