<エビのアドバイス>
さて、とばっちりを受けたミエともう一人のエビ、ジョハンは非常階段で密談をしていた。
「だからさ・・」
「もう一回、もう一回でいいからホンギュに声を掛けてくれよ。
俺が言っても鼻で笑うだけで、全く会話にならないんだから」
「いや〜私だって同じようなもんだって・・。
ていうか、とにかくうちらとゲーセン行くの面白くないんだってさ。
ネカフェに行くんだって」
ジョハンは、なんとかしてもう一度ホンギュとゲームセンターに行きたいらしい。
「あ、そんじゃネカフェに追いかけて行ってみる!?」
「いや、それはちょっと・・」
「?・・じゃあ私と遊ぼーよ!絶対にベ・ホンギュがいいの?私とゲーセン行こうよ!」
「いや・・」
「あんたと行っても、ゲーム下手だから面白くない・・言っちゃなんだけどクソ下手・・」
「?!なに言ってんじゃこのガキャー」
ジョハン、案外失礼だった(笑)
二人はポカポカと互いを叩きながら言い合いをする。
「はぁ?!あんたよりは上手いし!」
「本気で言ってる?!ベ・ホンギュが行きたがらないのはあんたのせいだろ?!」
「ふざけんな!」「ふざけんな返し!」
「ローリングウルトラスペクトルオーロラふざけんな返し返し!」
「意味不明なんだけど!」「あんたこそ!」
ひとしきり言い合った後、ミエは疑問に思っていたことを聞いてみた。
「てかソラとテグァンが話に出てこないけど、なんでベ・ホンギュばっかり?
二人とも一緒の学校でしょ?仲悪いん?」
「仲良くない・・二人とも、一言も喋ったことない・・」
「あの人(テグァン)とは・・・なんか気まずいし・・あの人(ソラ)怖いし・・」
「うん・・」
ちょっとわかる、とミエは何も言えなくなってしまった・・。
「それじゃあチョルとジョンウクは?声掛けて一緒に行こうよって誘ってみようか?」
「えっ?」
ミエからの申し出にパッと顔を上げたジョハンだったが、すぐにキム・チョルのことを思い出して身をすくめた。
ひいっ!
「あ・・いや・・いいや・・」
あれも嫌、これも嫌。
ミエはそんなジョハンに、自分なりの考えを話してみる。
「あんたはホンギュとどうなりたいの?仲良くなりたいの?勝ちたいの?」
「とにかく私一人じゃ大変だからさ、あんたも他の方法考えてみてよ。
そんなら協力するよ」
「どうなりたいにせよ、私が全部お膳立ては出来ないじゃん。
あんたの希望なんだから、あんたが方法を見つけないと!そうしてこその解決ってもんでしょ?」
ジョハンはただ黙って聞いていた。
そしてミエは、ガラスドアの向こうにキム・チョルがいるのを発見した。
「あっ!私行くね!」
「とにかく私は用があるからこの辺で・・!ファイト!だよ!」
そしてミエは、ダダダ・・と大きな足音を立てて行ってしまった。
ジョハンはミエから言われた言葉を、今一度反芻する。
「方法・・」
第六十九話④でした。
少し短めの記事ですみません!
ジョハン、すっかりミエには気を許してるんですね・・
ホンギュにはバカにされながらも、近づきたくて気になる存在なのかな・・
第六十九話⑤に続きます