気が遠くなるような現実の中、ミエの意識は今、宇宙空間へと旅立っていた。
[遠い宇宙・・幾千万の星の中で]
[地球上、セモドン地方に住んでいるこの少女は]
[16歳にして、
宇宙空間を漂っていたミエは、ゆっくりと地球に戻ってきた。
パチ、と目を開ける。
暗い部屋の天井に、ぼんやりとミエの星々が光っていた。
そこでようやくミエは実感した。自分がチョルにどう思われていたかを。
え、は?!
何?!わざと見たと思われてる?!
ミエは、チョルが帰って来てからの自分の行動を、
もう一度思い起こしてみることにした。
パッ
「おーい!チョル・キム!」
[そもそもカーテンも締めずにいきなり脱ぎ出したのは自分・・]
[じゃん・・]
気がついたら、上半身裸のチョルが立っていた。
目を逸らさずにいたのは、ミエの方だ・・。
胸の中が、ワーワーと騒ぎ出した。
「ちょっとー!なんなの!?どうしたっていうん!?ありえないってー!!」
「マジありえないってば・・」
引っ被った布団の中で、ミエがそうつぶやいていた頃、
同じくキム・チョルも布団団子になっていた。
先ほどの迂闊な自分の姿が浮かぶ。
そこにいた、目を丸くしたミエの姿も。
バタバタバタッ!!
チョルは恥ずかしさのあまり布団をパンチし、何度もキックした。
しかしチョルの脳は、更に恥ずかしい記憶を彼に見せる。
パタパタパタパタパタッ!!
チョルは布団の中で悶えた。
言葉にならない叫びを上げながら。
ブルブル・・・
そしてまた恥ずかしい場面を思い出し、再び暴れる・・を繰り返した。
マンションの向かいの二室から、同じようなくぐもった叫びが響いている。
それは夜更け過ぎまで続いたのだった・・・。
[あぁ眠れない、16歳達の夜]
第七十一話②でした。
あー・・分かりますね〜 恥ずかしいこと思い出してわーっ!ってなっちゃうやつ・・
思春期には辛いわ〜〜
第七十一話③に続きます