青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第三十五話②

2021-10-07 | 第三十四話〜第三十六話

ミエは図書館の二階で、居なくなったキム・チョルを探しているところだった。

どこ〜?!

どこ行った〜?!

しかしそこにはチョルは居ない。

自販機の前で、大きなクモのせいで棒立ちになっているからである。

来るな・・

来るな・・!来るなーーっ!!

「高句麗中、百済中の奴らもいるぜ。挨拶するか?

あ、俺らは勉強しに来てんじゃねーよ?ここタバコ吸うのにいーんだよ

そうキム・チョルが願っていることなど露知らず、向かいの男は話し続けていた。

けれどどんなに話を振ってもキム・チョルは返事をするどころか、
 
じっと固まったまま終始無言であった。

「この中坊が!また俺一人で喋ってんじゃねーかよ!」

痺れを切らせた男は思わず声を荒げてキム・チョルの肩を掴んだが、

次の瞬間我に返った。

「いや、これは・・」

スッ・・

男がよく見ると、キム・チョルはどこか様子がおかしかった。

青ざめた顔で、だらだらと汗を流している。

ジュースを持った手が細かく震えていた。

男はさすがにその異変に気がついたようだ。

「あ?どーしたんお前?」

「どっかいてーのか?ちょい見してみろよ」

そう男は言うも、チョルはクモが脚の裏側に回ったので気が気じゃない。

目を逸らしたまま、小さく「触るな」と言った。

男は先ほど友人達が口にしていた言葉を思い出す。

「あいつマジでぼっちなんだろ?」「図体ばっかデカくて・・」

あぁ・・?

実はそれは真実で、実際キム・チョルはそんなに大した奴じゃないのかもしれないと男は思う。

 

<ハズレ>

思わず男の口元がニヤけた。

「おい」

「お前大丈夫か?ちょっと俺の目ぇ見ろよ」

「人を無視しやがってよぉ。

あん時俺がどんなにこっ恥ずかしかったか分かるか?」

キム・チョルが「止め・・」と口にしようとした時、

クモがカサカサとその長い脚で上って来た。チョルはヒイイと白目を剥く。

ここが正念場だった。

[キム・チョルはおかしくなりそうだったが]

「おい、返事しろって!」

[それでも尚]

「おい、答えてみろよ。

お前マジでどうやってガク・テウクに勝ったんだ?みんな気になってんだよ」

[こいつの前で絶対に大騒ぎはしたくなかった]

「おい、ダチがあっちいるから一緒に行こーぜ」

「頼むから消えてくれ・・」

チョルは男に向かって小さくそう言ったが、男は聞こえなかったようだった。

ふと、チョルの手にあるジュースに目を留める。

「つーかなんで缶二つ持ってんだ?」

「お前も誰かと一緒に来たのか?」

そう言って男が周りを見回した時、

チョルを翻弄していた全てのものが吹っ飛んだ。

ガンッ!!!

コロコロ・・

その突然の出来事に、男は思わず青ざめる。

「驚・・!」

「気になるか?」

「どうやって勝ったか直接教えてやろうか?」

「いやいやいや!俺はただ・・」

 

「消えろよこの野郎。俺に話しかけんじゃねぇ。殺すぞ」

「分かった!分かったって!」

「行けばいーんだろ!?」

男はそう言い残して、そのまま走り去って行った。

チョルの身体がブルブルと震える。

クモがついている方の脚を必死で動かした。

胸中も決して穏やかではない。

「くそっ!くそーっ!」

ミスった!ただ無視してりゃ良かったものを、突然こんな・・

 

 

 

「チョル」

その時、後ろからあの子の声がした。

ファン・ミエはこちらを向きながら、何かを言いかけて口を開ける。

キム・チョルの頬に、冷や汗が一筋伝った。

この子には、見られたくはなかったのに———・・。

 


第三十五話②でした。

最後のミエちゃん

カバンの紐を両手でギュッと掴んでいますね。

ちょっと緊張した時や、意を決した時など、カバンの紐を握る癖があるみたいです。

そんなミエの様子をチョルは読み取ったのか・・?!

ハラハラしますね〜〜 

 

第三十五話③に続きます