メインの活弁のシーンの演者達の作り込み具合は中々のモノだった。劇中劇の活弁映画の内容は意外と全編オマージュパロディー的であったり、活弁の時代が終わることを示唆する人物の印象が強かったりと、活弁その物に熱狂する方向の欧米的なシンプルなベクトルでの感動や笑いに導くタイプのストーリーではなく、活弁に纏わるドタバタ人情喜劇や思いの外に哀しみのある基調を保ったまま終わる男女の交錯を描いたセピア色で湿り気のあるストーリーだった。尺はたっぷり目にあり、進行も昔の刑事ドラマ並みにバンバン銃撃のあるアクションシーン等さえ牧歌的なくらいゆったりと進行する独特な間合い。事前の伏線はいずれも非常に明確で、特にヒロイン梅子関連は最近のノーマルな展開の作品と同じ感覚で観ていると逆説的な意味だと思ってしまう程に念入りかつ、はっきりくっきりと張られている。全ての伏線は極めて正直に回収される。この実直な物語の中、主人公俊太郎は正しい心で生きているがそれでいてもはや残酷なくらい鈍い。作中の「人生には続編がある」という言葉がその通りなら、梅子にはいつか幸せになってほしいな。だがそれは女優の人生ではない、ということなのかもしれないが、女優の代わりは居ても人生の代えは利かないのだ。いつまでも同じ役者が主演だとつまんないしね。
メインの活弁のシーンの演者達の作り込み具合は中々のモノだった。劇中劇の活弁映画の内容は意外と全編オマージュパロディー的であったり、活弁の時代が終わることを示唆する人物の印象が強かったりと、活弁その物に熱狂する方向の欧米的なシンプルなベクトルでの感動や笑いに導くタイプのストーリーではなく、活弁に纏わるドタバタ人情喜劇や思いの外に哀しみのある基調を保ったまま終わる男女の交錯を描いたセピア色で湿り気のあるストーリーだった。尺はたっぷり目にあり、進行も昔の刑事ドラマ並みにバンバン銃撃のあるアクションシーン等さえ牧歌的なくらいゆったりと進行する独特な間合い。事前の伏線はいずれも非常に明確で、特にヒロイン梅子関連は最近のノーマルな展開の作品と同じ感覚で観ていると逆説的な意味だと思ってしまう程に念入りかつ、はっきりくっきりと張られている。全ての伏線は極めて正直に回収される。この実直な物語の中、主人公俊太郎は正しい心で生きているがそれでいてもはや残酷なくらい鈍い。作中の「人生には続編がある」という言葉がその通りなら、梅子にはいつか幸せになってほしいな。だがそれは女優の人生ではない、ということなのかもしれないが、女優の代わりは居ても人生の代えは利かないのだ。いつまでも同じ役者が主演だとつまんないしね。